4話:今!(この世との)別れの時~♪(あの世へ)飛び立とう~♪……って、黙れや!!

「あぁ………!待てって!」


3人を追いかけ、俺も店を飛び出して先ほどの公園へ。

すると、俺の目の前に飛び込んできたのは………




「……………



……………うげっ、なんじゃこりゃ」



生ゴミの塊をその身に纏った、髪型をモヒカンにした魚顔の異形が数匹、バイクに股がりアクセルの空吹かしをしていた。

姫矢の街で見てきたアンゲロスとはまた違った異質さをもつ怪人たちだったけど………



あー…………なんだろう。見ていてイタい。


気分は世紀末って奴だろうか。




「ヒャッハーーーーーーーッ!!

洲市の愚民共ォォォォ!残パントムのお通りでぇぇい!!」


「いやノリ」


本当に某世紀末漫画のノリじゃねーか。

本当になんなんだコイツら。



「出たな!残パントム!」



「だから誰か説明してくれ」





「あれは『残パントム』…………



令和元年の年末辺りから某国で確認された新型ウイルスから誕生した怪物だ」




「大丈夫か!?そのネタ大丈夫なのか!?

色々とアウトな気がするけど!!」




スウォルツ太郎は武器を構えながら、律儀に説明してくれるのだが……

コイツの言うことが正しければ目の前の生ゴミもとい残飯を纏ったようなヒャッハー共は『ザンパントム』といい、某国で発生した新型ウイルスから誕生した怪物らしいんだけど………


色々と際どくて本当に不安になってきてしまう。



ていうか、そもそも取り扱って大丈夫なのか?




「仕方ねぇ………!」


とにかくネタが際どくて不安になるのだが、この残パントムとかいう怪物をどうにかしなければならない。

俺は変身するべく、ベルトを取り出そうとするが……………





「あれ!?ない!アインギアがない!?」


ここでようやく気づいたのだ。


────アインギアがないことに。




「もしかして…………無くしたのか!?」


あれだけの激闘だ。

そして、一方的に殴り飛ばされたんだ。

吹っ飛んでいった過程でどこかで外れたのだろうか。


ヤベェ…………。



冷や汗がすーっと額から頬に伝っていくのがわかった。




「…………ボウズ。ここは任せておうか。



─────ウール、変身だ」



「親方、いつから僕はそんな羊毛みたいな名前になったんですか。

僕は握鱒 寿司夫っていうお寿司を握るためだけに生まれてきたような名前が「お前の意見は求めん」



「「………………」」



────不憫だ。


不憫すぎる。



寿司夫が不憫すぎてならない。


スウォルツ太郎の横暴さに、寿司夫と共に閉口してしまう。



……………って、スウォルツ太郎が変身するんじゃないのかよ。




ていうか、コイツも仮面ライダーなのかよ…………。
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