4話:今!(この世との)別れの時~♪(あの世へ)飛び立とう~♪……って、黙れや!!

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「………ご馳走さん。もう食えねぇや」


結局、なんだかんだ言って結構ご馳走になった。

ブリに甘エビ、カニもそうだな……あとサーモン。

どれもこれもうまいやつばかりだが……持ち合わせは大丈夫だろうか。



「親方、お代は?」


「今日はいいぞ。どうせお前、金持ってないだろ?」


「あんなに食べたのにか?本当にいいのか?」


「あぁ、その代わり友達とかにうちの店を宣伝してくれよな」


奴が勧めてきたものだけとはいえ、割とそれなりの量を食べたのに……そして品質もいいものだったはずなのに、奴は代金はタダだといってきた。

え?もしかして、このおっさんいい人じゃね?


人の意見は求めないし、高圧的で、笑顔は胡散臭さMAXだけど……スウォルツ太郎いい人じゃね?


これならいくらでも宣伝するぜ!




「あぁ!まかせとけ!いくらでも宣伝するからよ!」


「礼を言うぞ、ボウズ」




────その時だった。







「…………む?」


けたたましいサイレンの音が鳴り響く。

調理場の中央から、地球を模したようなモニターがせりあがるようにして現れる。


それだけを見れば一昔前の特撮モノの秘密基地のセットなのだが、やっぱり寿司屋にソレは似合わない。

違和感バリバリだ。




「はぁぁぁっ!?なんだよこれ!?」


「親方ァァァ!

洲市すしの東地区の公園………もといお隣の公園で“残パントム”が暴れていると通報が!」


「そうか。また出たのか………!

“ITAMAE”!出動っ!!」


「「らじゃー!」」


「残パントム!?なんだそれ!?

て言うかITAMAEって!?」


「………済まんな、ボウズ。

少し、待っていろ………すぐにカタをつける」


「はぁっ!?ちょっと待てよ!!」


そういうとスウォルツ太郎たちはこれまた一昔前の特撮モノのような銃型武器を担ぐと店を飛び出していく。


ジルにボロ負けし、訳のわからない街に飛ばされ、スウォルツ太郎に寿司を奢ってもらい、そして今度は訳のわからない状況に…………


目まぐるしく状況が変化していく。


ダメだこりゃ…………俺の頭は既にキャパシティを超えている。








………………あぁ?元からキャパシティねぇだろって?


うるせぇ!文句があるなら出てこい!ハッ倒してやる………


………と言いたいけど、そんな元気、今の俺にはないんだよ。
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