3話:ナカムラ、ヒーロー辞めるってよ……ってそこまでは言ってない!
「………でも、分かったことがある。
プロメテウス01は間違いなく“失敗作”だ」
「!?」
僕はノゾミの手を掴み、その血管のような青い模様を見る。
本来ならライダーの遺伝子やブラッド族の細胞も一緒に伝達されて、ノゾミの体は千花に乗っ取られて心も体も千花のクローンとなるはずなのに、ノゾミはノゾミのままだし、僕の力でノゾミを細胞や遺伝子を探ってみても、ノゾミに宿っているのは溶原性細胞のみだと分かる。
恐らく遺伝子と細胞の掛け合わせの過程で何らかのエラーが起こったんだろうね。
現にノゾミからは溶原性細胞以外、何も感じない。
エクスライザーの………ハルシオンの加護がなければ、やはり異なる世界のもの同士は互いに反発する。
それこそ細胞や遺伝子レベルで………ということか。
あーあ………やっぱり父さんに報告しなきゃダメだよね。
「だってお前には人喰い細胞しか見当たらないんだもん。
しかも中途半端にだけど…………まっ、何もかも中途半端なお前にはお似合いだけどさ」
「どういうこと!?ねぇ!」
………さて、と。
プロメテウスチルドレンの方は失敗だって分かったし、帰りますかね。
ノゾミの腕を掴む手を離すと、僕はノゾミに背を向けた。
でも、その前に…………。
「そぉい☆」
「ガハッ………!」
起き上がろうとしたノゾミの顔面に蹴りを叩き込む。
このブルドッグみたいな顔は本当に蹴りやすいよ…………ははっ。
「ノゾミっ……!」
「ノゾミお姉ちゃん!!」
怪我が予想以上に酷いのかノゾミに駆け寄れない神龍、そしてノゾミのせいで怪我をしたのにも関わらず駆け寄るプロメテウス01。
……………まさかここまで人間の心とやらを持つとは思わなかったが、人格も所詮は僕がデザインしたもの。
結局のところこれも脳が起こす化学反応に過ぎないのだろう。
「プロメテウス01………いや、チカちゃん。
近いうちに迎えに来る。
それまでにそこのバカなお姉ちゃんと別れを済ませておくんだね」
「…………っ!!」
僕を見るなり、プロメテウス01は怯えたような表情になり、今にも失禁しそうな程にプルプルと震え出す。
「そんなに怖がらないで………まァた来るよっ!」
僕に怯える姿を堪能すると、僕は笑顔を浮かべ彼女に投げキッスをする。
そして立ち上がった瞬間、僕の目の前には灰色のオーロラ………通称『オーロラカーテン』が現れる。
オーロラカーテンはいわばどこでもドア。
自分の行きたいところに瞬時に行けるのだ。
「それじゃあねぇ~!チャーオ♪」
そうして僕は倒れ伏すライダーたちと千花を背にオーロラカーテンの向こうへと歩みだした。
To Be Continued……
プロメテウス01は間違いなく“失敗作”だ」
「!?」
僕はノゾミの手を掴み、その血管のような青い模様を見る。
本来ならライダーの遺伝子やブラッド族の細胞も一緒に伝達されて、ノゾミの体は千花に乗っ取られて心も体も千花のクローンとなるはずなのに、ノゾミはノゾミのままだし、僕の力でノゾミを細胞や遺伝子を探ってみても、ノゾミに宿っているのは溶原性細胞のみだと分かる。
恐らく遺伝子と細胞の掛け合わせの過程で何らかのエラーが起こったんだろうね。
現にノゾミからは溶原性細胞以外、何も感じない。
エクスライザーの………ハルシオンの加護がなければ、やはり異なる世界のもの同士は互いに反発する。
それこそ細胞や遺伝子レベルで………ということか。
あーあ………やっぱり父さんに報告しなきゃダメだよね。
「だってお前には人喰い細胞しか見当たらないんだもん。
しかも中途半端にだけど…………まっ、何もかも中途半端なお前にはお似合いだけどさ」
「どういうこと!?ねぇ!」
………さて、と。
プロメテウスチルドレンの方は失敗だって分かったし、帰りますかね。
ノゾミの腕を掴む手を離すと、僕はノゾミに背を向けた。
でも、その前に…………。
「そぉい☆」
「ガハッ………!」
起き上がろうとしたノゾミの顔面に蹴りを叩き込む。
このブルドッグみたいな顔は本当に蹴りやすいよ…………ははっ。
「ノゾミっ……!」
「ノゾミお姉ちゃん!!」
怪我が予想以上に酷いのかノゾミに駆け寄れない神龍、そしてノゾミのせいで怪我をしたのにも関わらず駆け寄るプロメテウス01。
……………まさかここまで人間の心とやらを持つとは思わなかったが、人格も所詮は僕がデザインしたもの。
結局のところこれも脳が起こす化学反応に過ぎないのだろう。
「プロメテウス01………いや、チカちゃん。
近いうちに迎えに来る。
それまでにそこのバカなお姉ちゃんと別れを済ませておくんだね」
「…………っ!!」
僕を見るなり、プロメテウス01は怯えたような表情になり、今にも失禁しそうな程にプルプルと震え出す。
「そんなに怖がらないで………まァた来るよっ!」
僕に怯える姿を堪能すると、僕は笑顔を浮かべ彼女に投げキッスをする。
そして立ち上がった瞬間、僕の目の前には灰色のオーロラ………通称『オーロラカーテン』が現れる。
オーロラカーテンはいわばどこでもドア。
自分の行きたいところに瞬時に行けるのだ。
「それじゃあねぇ~!チャーオ♪」
そうして僕は倒れ伏すライダーたちと千花を背にオーロラカーテンの向こうへと歩みだした。
To Be Continued……