3話:ナカムラ、ヒーロー辞めるってよ……ってそこまでは言ってない!

まずは僕たちの組織Re:BUILDについて簡単に触れておこうかな。


自分たちの世界が消滅し、この世界に迷い混んだライダーたちが徒党を組み、僕たちに戦いを挑んできて半年が経った。


僕たちはこれまで一進一退の攻防を繰り広げてきたのだが、近いうちに創世龍が動き出すのを察知していた。



そこでこの戦争を早期に終結させるべく、エクスライザーを本格的に量産するプロジェクトが発足した。


だが、エクスライザーはライザープルーフという刻印を変身者に撃ちつけることで変身させるという性質上、同じカプセルの組み合わせを使用することが出来ない。

村瀬理緒がウィザードとポッピーのカプセルでプリティ☆のぞみんならぬプリティ☆りおたんになれなかったように。



だが……呼道勇騎は気づいていないが、僕たちはそのライザープルーフの問題を解決した。




そしたエクスライザーを使用するためだけの“兵士”を作り上げるふたつのプランが立ち上げられた。



まずは戦闘用に特別にラーニングを施し、『ある仕様』を施したヒューマギアによるエクスライザーの使用。

人格を完全に消去した上でエクスライザーやザイアスペックを経由し、僕たちの命令を受信することで統率をとるというものだ。

そして、例え破壊されてもバックアップがとられているので代替機があれば何度も蘇る。



次に、『世界の中核を担うライダー』たちの優秀な遺伝子を、ブラッド族や溶原性細胞などの凶悪な怪物たちの細胞と組み合わせることで、自己増殖と自己再生が可能な『プロメテウスチルドレン』。

これは昔Re:BUILDにいた男が『ライダーの存在しない世界』から持ち込んだ技術がベースとなっているのだが、デザインされた優秀な遺伝子を溶原性細胞とブラッド族の細胞のハイブリッド細胞を他の人間に感染させることで有能な兵士を増殖させることができる。

そして、そのコントロールを担う存在として作られたオリジナルにして第一号が『桜ノ宮千花』だった。



そして彼女の遺伝子のベースとなったのは、ノゾミ・ナカムラの遺伝子だ。


ノゾミ・ナカムラの遺伝子を元にクローンを作り上げ、そのクローンにライダーやブラッド族、溶原性細胞を組み合わせてプロメテウス01は誕生した。

掛け合わされた力により世界のひとつやふたつ容易く滅ぼせるだけの素質を千花は持っている。


だけど………なんであれだけ『弱い』とバカにしてきたノゾミをベースに選んだか分かる?



その理由は2つある。


まずひとつは『処分』を容易にするため。

仮にプロメテウスチルドレンの計画が破綻しても、どれだけ素質を持っていようと、ノゾミと同程度の知能と力しか持たないプロメテウス01は、僕たちなら殺すことだって容易い。


本人は気づいてないけど………ノゾミはライダー同盟のなかでもあらゆる意味で『最弱』だからね。

そしてもうひとつはウェズぺリア出身の人間の体質に由来するものだ。
あらゆる世界からやってきた様々な種族の人間や現れた転生者が交わり血統が複雑に絡み合った結果、逆に他の世界の人間をベースにするよりも遺伝子の組み替えが容易になったのだそうだ。
それにこの技術を持ち込んだ男がウェズぺリアの人間と何かしらの繋がりがあったようだ。


なんにせよ、戦闘用ヒューマギアとプロメテウスチルドレン、そのどちらも『ライザープルーフの問題』をすり抜けることができる。


だからこそより優秀なものを採用するべくコンペを行っていたのだけど、流石にライザープルーフの問題の解決方法はトップシークレットだよ?


僕も父さんには怒られたくないからねぇ。



でも意外と答えは単純だから、君たちにはヒントあげる。




ヒントは『ディケイド』と『ブラッド族の細胞』。





まっ、答えは今後の僕たちの活躍に…………








「────答えろっ!!」


「うるさい、なっ!」


…………おっと、ゴメンねバカが煩くて。


いい加減煩くて仕方ないから、脚を踏みつけていた頭から話し、勢いよくノゾミの頭を蹴り飛ばした。


………これで少しは静かになったかな。



まっ、さっきの話の続きだ。


まぁ、この兵士の量産化計画に関してはこれからの僕たちの活躍に期待しててよ♪
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