3話:ナカムラ、ヒーロー辞めるってよ……ってそこまでは言ってない!

「輝くんっ!」


「ふぃ~………いい天気だねぇ」


散々暴れに暴れ、周囲の木もなぎ倒したからかいつの間にか視界が開け、薄暗かった森に太陽が差し込んでいた。


空は染み渡るように澄んでいた。


まるで今の僕の心のよう。

必殺のアンパンチで鬼(笑)の篠原を○イキンマンの如く吹っ飛ばせたからねぇ。



そして、さすがの神龍サマも戦闘不能。

鬼(笑)もバイバイキンしちゃった。




さて………あとはプロメテウス01を回収するだけ。


視線をプロメテウス01に向けると、プロメテウス01とションベンタレの方へと近づいていく。




「待ちなさい………っ!」


僕の背後から声が聞こえる。

女の子の声だ………そうそう、忘れてた。




「…………まだやるの?セッテちゃん?」


声のした方へと振り替える。

そこにはやっぱり思った通り、イージスがいた。


…………ははっ。

格好のネタがある状態で、格好の餌食がやって来た。


これをジャパニーズは『鴨が葱を背負ってくる』なんて言うんだろうな。



────またいいこと思い付いた。




「許さない………貴方だけは絶対に………!!」


《Revolution!》


イージスはおもむろにガイアメモリを取り出すと、ガイアメモリを起動する。

その魔性の小箱に宿る記憶は『革命』。


元々イージスはマスクドライダーシステムにガイアメモリのスロットを装備させることで二種類の仮面ライダーの力を使えるライダーシステムなのだが、『革命の記憶』………レボリューションメモリを使用することで、その力を“劇的に進化させる”。


そして、レボリューションメモリをガイアメモリスロットに装填する。


ガイアメモリを“鍵”として、イージスの新たな姿を解き放つのだ。



《Change Revolution Aegis》


ゼクター側の音声と共にイージスの姿が変わる。

四肢に紅蓮の炎の意匠、一対の翼のようなマントは左が赤く、複眼も左が赤くなる。


『レボリューションイージス』。

光すらも置き去りにして、戦場を駆け抜ける『絆の不死鳥』。



ま、だからなんだよ……って話だけど。
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