3話:ナカムラ、ヒーロー辞めるってよ……ってそこまでは言ってない!
「まっ………まだだっ…………!」
これで終わったと思ったら鬼のなんちゃらさん、また立ち上がったよ。
ヘッドバイザーも玄武プロテクターも木っ端微塵に砕けたのに、未だにオーバードライブを維持している。
これは奴の根性って奴だろうか?
だけどあと残り1分もない。
「何?まだやるの?」
───あぁ、こいつもノゾミ・ナカムラと同じ人種だったな。
相手の力量もロクに測れず、たった数年のヒーローごっこを経験と誤解してる。
ここで本当に正しいのは、逃げることなのにね。
「俺にも………取り返したい家族もダチもいるんだよ……………!」
「お前のことなんか知るか」
《KIKAI……Awaking》
《アルティメタルフィニッシュ!》
“取り戻したい家族”?“友達”?
なんだよ、それ…………。
僕たちはこの戦争に勝っても、そんなの取り戻せないのに。
────オーバードライブを発動させたこと、後悔させてやるよ。
「ぐわぁぁぁっ!!」
冷気を纏った拳が奴の胴に叩き込まれる。
アインのアーマーがひしゃげ、ボルトで構成された雪の結晶が舞う。
キカイの能力は“機械の機能停止”。
それから圧倒的なパワーと精密さ。
これらを組み合わせることで、“あること”が起こる。
「…………そろそろ3分たつね」
「なっ………あぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
3分経過。
普段ならセーフティシステムが発動し、自動的に変身解除されるのが、このアイン・オーバードライブの仕様なのだが、一向に変身解除が行われず、奴の身に纏った雷が一層大きくなり、奴を苦しめる。
俗にいう『バックファイア』って奴だ。
「………キカイの能力は“機械の機能停止”。
これを応用すれば、ライダーシステムのセーフティシステムを完全にフリーズさせることができる。
もうそのアインのスーツはただの拷問器具だ」
そもそもオーバードライブに代表される、リミッター解除などのシステムに制限時間が設けられているのは大概バックファイアの負担を最小限に抑えるためだ。
しかし、そのセーフティシステムを機能停止させてしまえばバックファイアに苦しめられることになる。
そう、今のアインはセーフティシステムによる強制変身解除が出来ない状態。
───自分で変身解除すら出来やしないんだ。
《BURST……!》
ここで再びDFカプセルギアを取り出し、右に90度ダイヤルを回した後、再び左にダイヤルを回す。
これが必殺技の発動の合図。
死刑執行の合図だ。
《GIGANTIC FULLMETAL KNOCKOUT!!》
ダイヤルを叩くと、死刑執行を告げるガイダンスボイスと共に、両肩の装甲がガコンッという音と共に展開。
両肩から楔のついた鎖を射出する。
「ぐっ…………!」
楔は見事にアインの両肩を貫く。
グレーのスーツが真っ赤な鮮血で染まっていく。
限界を無理やり超えさせられたオーバードライブのバックファイアによる負荷で、奴には防御も回避もする余裕などない。
その間にも僕の拳には銀河のうねりを模した膨大なエネルギーが蓄積されていく。
そして鎖を巻き上げ、奴を強引にこちらに引き寄せていき…………
「打ち上げ花火みたいに…………
銀河の果てまで飛んでけェェェェェ!!」
最後にパラドクスの力により人工筋肉がビルドアップ。
極限までに膂力が強化された状態で放たれたアッパーカットの一撃が、アインの体を捉えた。
僕の拳は奴の体に食い込み、メシメシという骨が砕ける音まで聞こえる。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
………あまりの威力にこちらの鎖もパージする羽目になった。
鎖がパージされた途端、アイン……いや、篠原輝の体はまるで紙くずのように吹っ飛ばされていった。
森を超え、まるで青空に吸い込まれていくかのようにアインの姿が遠く小さくなっていき見えなくなっていく。
そして…………アインの姿が完全に見えなくなった頃。
《…………K.O!!》
「………ばいばーい」
────『きらーん』と遠くで星が煌めいた。
これで終わったと思ったら鬼のなんちゃらさん、また立ち上がったよ。
ヘッドバイザーも玄武プロテクターも木っ端微塵に砕けたのに、未だにオーバードライブを維持している。
これは奴の根性って奴だろうか?
だけどあと残り1分もない。
「何?まだやるの?」
───あぁ、こいつもノゾミ・ナカムラと同じ人種だったな。
相手の力量もロクに測れず、たった数年のヒーローごっこを経験と誤解してる。
ここで本当に正しいのは、逃げることなのにね。
「俺にも………取り返したい家族もダチもいるんだよ……………!」
「お前のことなんか知るか」
《KIKAI……Awaking》
《アルティメタルフィニッシュ!》
“取り戻したい家族”?“友達”?
なんだよ、それ…………。
僕たちはこの戦争に勝っても、そんなの取り戻せないのに。
────オーバードライブを発動させたこと、後悔させてやるよ。
「ぐわぁぁぁっ!!」
冷気を纏った拳が奴の胴に叩き込まれる。
アインのアーマーがひしゃげ、ボルトで構成された雪の結晶が舞う。
キカイの能力は“機械の機能停止”。
それから圧倒的なパワーと精密さ。
これらを組み合わせることで、“あること”が起こる。
「…………そろそろ3分たつね」
「なっ………あぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
3分経過。
普段ならセーフティシステムが発動し、自動的に変身解除されるのが、このアイン・オーバードライブの仕様なのだが、一向に変身解除が行われず、奴の身に纏った雷が一層大きくなり、奴を苦しめる。
俗にいう『バックファイア』って奴だ。
「………キカイの能力は“機械の機能停止”。
これを応用すれば、ライダーシステムのセーフティシステムを完全にフリーズさせることができる。
もうそのアインのスーツはただの拷問器具だ」
そもそもオーバードライブに代表される、リミッター解除などのシステムに制限時間が設けられているのは大概バックファイアの負担を最小限に抑えるためだ。
しかし、そのセーフティシステムを機能停止させてしまえばバックファイアに苦しめられることになる。
そう、今のアインはセーフティシステムによる強制変身解除が出来ない状態。
───自分で変身解除すら出来やしないんだ。
《BURST……!》
ここで再びDFカプセルギアを取り出し、右に90度ダイヤルを回した後、再び左にダイヤルを回す。
これが必殺技の発動の合図。
死刑執行の合図だ。
《GIGANTIC FULLMETAL KNOCKOUT!!》
ダイヤルを叩くと、死刑執行を告げるガイダンスボイスと共に、両肩の装甲がガコンッという音と共に展開。
両肩から楔のついた鎖を射出する。
「ぐっ…………!」
楔は見事にアインの両肩を貫く。
グレーのスーツが真っ赤な鮮血で染まっていく。
限界を無理やり超えさせられたオーバードライブのバックファイアによる負荷で、奴には防御も回避もする余裕などない。
その間にも僕の拳には銀河のうねりを模した膨大なエネルギーが蓄積されていく。
そして鎖を巻き上げ、奴を強引にこちらに引き寄せていき…………
「打ち上げ花火みたいに…………
銀河の果てまで飛んでけェェェェェ!!」
最後にパラドクスの力により人工筋肉がビルドアップ。
極限までに膂力が強化された状態で放たれたアッパーカットの一撃が、アインの体を捉えた。
僕の拳は奴の体に食い込み、メシメシという骨が砕ける音まで聞こえる。
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
………あまりの威力にこちらの鎖もパージする羽目になった。
鎖がパージされた途端、アイン……いや、篠原輝の体はまるで紙くずのように吹っ飛ばされていった。
森を超え、まるで青空に吸い込まれていくかのようにアインの姿が遠く小さくなっていき見えなくなっていく。
そして…………アインの姿が完全に見えなくなった頃。
《…………K.O!!》
「………ばいばーい」
────『きらーん』と遠くで星が煌めいた。