3話:ナカムラ、ヒーロー辞めるってよ……ってそこまでは言ってない!
「………あとさ、お前気付いてないだろっ!!」
奴の右腕が翠の雷に包まれる。
それを奴は私の体に叩き込んだ。
吹っ飛ばされる私の体。
大木に叩きつけられると、そこで変身が解除されてしまう。
「ノゾミお姉ちゃんっ!!」
千花が私に駆け寄ってくる。
千花を護らなきゃいけないのに……千花だって辛いはずなのに、それでも千花は私を護ろうとしている。
「おっと………あまり君をキズモノにしすぎると父さんに怒られるんだよね………“プロメテウス01”。
せめて、ノゾミに現実を叩き込むまでは黙っててくんない?」
そういって奴は私の右腕を掴んで、私自身に見せつけてきた。
それは目を疑うもので……。
そして、それは千花にだけには見られたくないものであった。
「っ!?」
「ノゾミお姉ちゃん!?」
私の腕には黒い血管のようなものが指の先から肩の方にまで走っているのが分かる。
そして頬や首もとに触れてみれば、血管のようなものが異様に盛り上がっているものが確認できる。
「………ホラ、その目でよーく見なよ。
これは完全に溶源性細胞にやられてる証。
仮面ライダーの素質じゃなくて、アマゾンになった証。
どうやらお前は“人喰い”の素質はあるみたいだね!アハハハハハハハ!!」
「黙れ!!」
私は隙あらば奴に噛みついてやろうとするのだが、奴は手を離し私の噛みつきをヒラリとかわすと私の顔面に蹴りを叩き込む。
再び私の体は地面に叩きつけられた。
そして私の頬に衝撃が走ったかと思うと口一杯に砂の味が広がる。
奴が私の顔を踏みつけているのだ。
「もうやめて!ノゾミお姉ちゃんをいじめないで!!」
「千………花……………!」
目に砂が入ったせいで、千花の姿は見えないがどうやら千花は私を解放するべく奴に組み付いたようだ。
しかし、生身の千花が悪のライダーに変身したジルにかなうわけもない。
「…………いいこと教えてあげよっか?
『桜ノ宮 千花』って名前、僕がテキトーにつけたの。
そして、君んちになってるアパートに君を連れていったのも。
それから記憶を消したのも。
BATTOLERの行き先を君にラーニングしたのも。
そもそも、君の人格をデザインしたのも。
ぜぇ~んぶ、僕たちだ………。
君は作られた存在。
溶源性細胞とブラッド族の細胞のハイブリッド。
それから『20人の英雄』の遺伝子を組み込んで完成した“兵器”。
『プロメテウスチルドレン』………その第1号が君って訳だよ。チカちゃん♪」
「じゃあ…………私は…………!」
「君は世界を滅ぼせる力を持った怪物………。
そしてノゾミ・ナカムラを人喰いにしたのも君だ。
でも驚いたなぁ………溶源性細胞持ってるの今のところ君だけだったのに、ノゾミ・ナカムラにも感染してる……………。
体液感染でもしない限りあり得ないのに………
あ、もしかしてセックスした?
まさかそういう関係?え?キモッ……
……アハハハハハハハハハハハハハ!!」
千花は何も言えず、目を見開き大粒の涙を流す。
この表情は知ってる。
どんな顔をしていいのかすらわからないって、そんな顔だ。
それに対し私を、私たちを侮辱するように高笑いする悪魔。卑劣漢。
この世界に来てから『戦う理由』だとか、『力のあり方』とか嫌になるほど考えてきた。
そして、その度に私の信念は否定されてきた。
でも、今は………目の前に許せない奴がいる。
私のことは、もうどうでもいい。
千花を侮辱し、嘲笑い、泣かせたこの男だけは絶対に…………絶対に許さない。
「……………言いたいことはそれだけ?」
「ん?」
私は奴の足を振り払い、立ち上がる。
その手にはエクスライザー。
こんなこともあろうかと、勝利くんからくすねてきたものだ。
この力で…………今度こそ奴を倒す!
奴の右腕が翠の雷に包まれる。
それを奴は私の体に叩き込んだ。
吹っ飛ばされる私の体。
大木に叩きつけられると、そこで変身が解除されてしまう。
「ノゾミお姉ちゃんっ!!」
千花が私に駆け寄ってくる。
千花を護らなきゃいけないのに……千花だって辛いはずなのに、それでも千花は私を護ろうとしている。
「おっと………あまり君をキズモノにしすぎると父さんに怒られるんだよね………“プロメテウス01”。
せめて、ノゾミに現実を叩き込むまでは黙っててくんない?」
そういって奴は私の右腕を掴んで、私自身に見せつけてきた。
それは目を疑うもので……。
そして、それは千花にだけには見られたくないものであった。
「っ!?」
「ノゾミお姉ちゃん!?」
私の腕には黒い血管のようなものが指の先から肩の方にまで走っているのが分かる。
そして頬や首もとに触れてみれば、血管のようなものが異様に盛り上がっているものが確認できる。
「………ホラ、その目でよーく見なよ。
これは完全に溶源性細胞にやられてる証。
仮面ライダーの素質じゃなくて、アマゾンになった証。
どうやらお前は“人喰い”の素質はあるみたいだね!アハハハハハハハ!!」
「黙れ!!」
私は隙あらば奴に噛みついてやろうとするのだが、奴は手を離し私の噛みつきをヒラリとかわすと私の顔面に蹴りを叩き込む。
再び私の体は地面に叩きつけられた。
そして私の頬に衝撃が走ったかと思うと口一杯に砂の味が広がる。
奴が私の顔を踏みつけているのだ。
「もうやめて!ノゾミお姉ちゃんをいじめないで!!」
「千………花……………!」
目に砂が入ったせいで、千花の姿は見えないがどうやら千花は私を解放するべく奴に組み付いたようだ。
しかし、生身の千花が悪のライダーに変身したジルにかなうわけもない。
「…………いいこと教えてあげよっか?
『桜ノ宮 千花』って名前、僕がテキトーにつけたの。
そして、君んちになってるアパートに君を連れていったのも。
それから記憶を消したのも。
BATTOLERの行き先を君にラーニングしたのも。
そもそも、君の人格をデザインしたのも。
ぜぇ~んぶ、僕たちだ………。
君は作られた存在。
溶源性細胞とブラッド族の細胞のハイブリッド。
それから『20人の英雄』の遺伝子を組み込んで完成した“兵器”。
『プロメテウスチルドレン』………その第1号が君って訳だよ。チカちゃん♪」
「じゃあ…………私は…………!」
「君は世界を滅ぼせる力を持った怪物………。
そしてノゾミ・ナカムラを人喰いにしたのも君だ。
でも驚いたなぁ………溶源性細胞持ってるの今のところ君だけだったのに、ノゾミ・ナカムラにも感染してる……………。
体液感染でもしない限りあり得ないのに………
あ、もしかしてセックスした?
まさかそういう関係?え?キモッ……
……アハハハハハハハハハハハハハ!!」
千花は何も言えず、目を見開き大粒の涙を流す。
この表情は知ってる。
どんな顔をしていいのかすらわからないって、そんな顔だ。
それに対し私を、私たちを侮辱するように高笑いする悪魔。卑劣漢。
この世界に来てから『戦う理由』だとか、『力のあり方』とか嫌になるほど考えてきた。
そして、その度に私の信念は否定されてきた。
でも、今は………目の前に許せない奴がいる。
私のことは、もうどうでもいい。
千花を侮辱し、嘲笑い、泣かせたこの男だけは絶対に…………絶対に許さない。
「……………言いたいことはそれだけ?」
「ん?」
私は奴の足を振り払い、立ち上がる。
その手にはエクスライザー。
こんなこともあろうかと、勝利くんからくすねてきたものだ。
この力で…………今度こそ奴を倒す!