3話:ナカムラ、ヒーロー辞めるってよ……ってそこまでは言ってない!
「はぁぁぁぁっ!!」
シザースセイバーガンを振るいジルに斬りかかるのだが、私の振るう刃は虚しく宙を切るばかり。
奴は変身していないのにも関わらず、全く攻撃が当たらないのだ。
「………勘弁してくれよ。
人間の居住区ならともかく、このウサギやモルモットには何の罪もないんだよ?」
「うるさいっ!!」
みてみれば私の攻撃のせいで、ウサギ小屋やモルモットの棲み家が壊されてしまった。
それでも……止まるわけにはいかない。
こいつらを野放しにしていたら、この子たちの棲み家どころか世界そのものが消えてなくなるんだ。
「本当に………『バカ』なんてレベルじゃない。
お前はもう……“害悪”そのものじゃんか」
《SET UP!》
やがて私や千花以外の人がいなくなった頃、奴は今まで避け続けていた私の振るった刃を避けずに片手で受け止めた。
その腰には既にジュエルドライバーが装着されている。
でも、なんで急に?
「なぁにが『希望の担い手』だ………
本当に薄っぺらい。薄っぺらすぎるだろ………」
ジルの目から感じられるのは、ジニアのそれに似た私への哀れみの感情。
ジニアの息子であるだけはある……その目はジニアと同じく冷たく昏 い。
そしてジルの背後にはウサギ小屋と、その中で震えている子ウサギが2匹。
逃げ遅れたのだろうか………もし、ジルが私の攻撃を避けていたら、私の攻撃は確実にこの小屋を中にいる子ウサギ共々潰していた。
「そらっ!」
「うっ!」
直後、私の腹部に走る鋭い痛み。
それと共に私の体は大きく仰け反り、千花の側まで後退させられてしまう。
「今日はそんなつもりはなかったんだけど、仕方ないな……
………変身」
《チェーンジッ!アナザーRX!》
ガイダンスボイスと共に、奴の体は白銀の煌めきに包まれる。
そのあまりの眩しさに私と千花は腕で目元を覆う。
やがて光が奴の体に吸い込まれていくようにおさまると、私たちは恐る恐る奴をみる。
すると、目の前にいたのはバッタを擬人化した戦士に変身したジルがいた。
その姿は形だけ言えば、『太陽の子」と呼ばれるライダー、BLACK RXそのものなのだが、その色は私の知るBLACK RXとは全く違う。
白銀に包まれた鎧に緑の眼。
色だけでみるのなら、かつてBLACKやBLACK RXと戦ったもうひとりの世紀王……シャドームーンそのもの。
……ここまで言えば、もう分かるかもしれないが………目の前にいるのはBLACKが太陽の光でRXに進化したように、シャドームーンが月の光で新たな姿に進化した姿なのだ。
“アナザーRX ”……またの名を“シャドームーンRX”。
それが目の前の戦士の名だ。
「僕は月の王子、シャドームーンRX。
………なんてね。さぁ、場所変えよっか」
変身して早々、奴はパチンと指を鳴らした。
その瞬間、背後に現れる銀色のオーロラ。
それは私たちに迫ると共に…………
「「────っ!!」」
私たちの体を呑み込んだ。
───こうして、私たちの幸せな時間は終わったのだ。
シザースセイバーガンを振るいジルに斬りかかるのだが、私の振るう刃は虚しく宙を切るばかり。
奴は変身していないのにも関わらず、全く攻撃が当たらないのだ。
「………勘弁してくれよ。
人間の居住区ならともかく、このウサギやモルモットには何の罪もないんだよ?」
「うるさいっ!!」
みてみれば私の攻撃のせいで、ウサギ小屋やモルモットの棲み家が壊されてしまった。
それでも……止まるわけにはいかない。
こいつらを野放しにしていたら、この子たちの棲み家どころか世界そのものが消えてなくなるんだ。
「本当に………『バカ』なんてレベルじゃない。
お前はもう……“害悪”そのものじゃんか」
《SET UP!》
やがて私や千花以外の人がいなくなった頃、奴は今まで避け続けていた私の振るった刃を避けずに片手で受け止めた。
その腰には既にジュエルドライバーが装着されている。
でも、なんで急に?
「なぁにが『希望の担い手』だ………
本当に薄っぺらい。薄っぺらすぎるだろ………」
ジルの目から感じられるのは、ジニアのそれに似た私への哀れみの感情。
ジニアの息子であるだけはある……その目はジニアと同じく冷たく
そしてジルの背後にはウサギ小屋と、その中で震えている子ウサギが2匹。
逃げ遅れたのだろうか………もし、ジルが私の攻撃を避けていたら、私の攻撃は確実にこの小屋を中にいる子ウサギ共々潰していた。
「そらっ!」
「うっ!」
直後、私の腹部に走る鋭い痛み。
それと共に私の体は大きく仰け反り、千花の側まで後退させられてしまう。
「今日はそんなつもりはなかったんだけど、仕方ないな……
………変身」
《チェーンジッ!アナザーRX!》
ガイダンスボイスと共に、奴の体は白銀の煌めきに包まれる。
そのあまりの眩しさに私と千花は腕で目元を覆う。
やがて光が奴の体に吸い込まれていくようにおさまると、私たちは恐る恐る奴をみる。
すると、目の前にいたのはバッタを擬人化した戦士に変身したジルがいた。
その姿は形だけ言えば、『太陽の子」と呼ばれるライダー、BLACK RXそのものなのだが、その色は私の知るBLACK RXとは全く違う。
白銀に包まれた鎧に緑の眼。
色だけでみるのなら、かつてBLACKやBLACK RXと戦ったもうひとりの世紀王……シャドームーンそのもの。
……ここまで言えば、もう分かるかもしれないが………目の前にいるのはBLACKが太陽の光でRXに進化したように、シャドームーンが月の光で新たな姿に進化した姿なのだ。
“アナザーRX ”……またの名を“シャドームーンRX”。
それが目の前の戦士の名だ。
「僕は月の王子、シャドームーンRX。
………なんてね。さぁ、場所変えよっか」
変身して早々、奴はパチンと指を鳴らした。
その瞬間、背後に現れる銀色のオーロラ。
それは私たちに迫ると共に…………
「「────っ!!」」
私たちの体を呑み込んだ。
───こうして、私たちの幸せな時間は終わったのだ。