3話:ナカムラ、ヒーロー辞めるってよ……ってそこまでは言ってない!
「…………ハァーイ、ノゾミィ☆」
─────だけど、私のささやかな幸せすら赦してくれない者がいる。
千花が怯えた様子で私にしがみつく。
「……………ジル」
目の前には黒い和服に身を包んだ、浮世離れした少年。
組織のナンバー2。
そして幾度に渡ってライダーを苦しめてきた敵。
私も全く歯が立たなかったあの男………。
「君たちもここに来てたんだぁ……
どう?“お人形さん”とデートして楽しい?」
「人形………?アタシの、こと………?」
思わせ振りな口調と人を小馬鹿にしたような笑みで神経を逆撫でしてくる。
千花の柔らかな表情が、一瞬にして固まる。
汗が滴り落ち、呼吸が荒くなる。
私の服の裾を掴む千花の手が震えている。
「アンタ………千花の何を知ってるの………!?」
《ドライバーオン・プリーズ………》
「おいおい……こんなところで戦うつもり?
もっと場所を考えなよ……『希望の担い手』なんだろ?
………いや、君のソレはもれなく(笑)がつくんだろうけど」
あくまでも軽口を叩き、煽る姿勢を崩さない。
しかし、奴自身は変身どころか、構えようとすらしない。
───どれだけ私をなめているんだ。
「ふざけるな………ジニアも……その息子のアンタも!
絶対に許さない!変身!!」
《EXCEED HOPE!》
《インフィニット!エクシーーーードッ!!》
私はジルが構えるのすら待たず、ホープ最強形態であるインフィニットエクシードへと変身。
専用武器であるシザースセイバーガンを構えるとジルに振りかざした。
「おっとっ………あっぶないなぁ」
ジルはそれを意図も容易く回避してみせる。
振り下ろされたシザースセイバーガンの刃は檻を切り裂いただけ。
「「「わぁぁぁぁぁぁっ!!」」」
異変を察知したウサギやモルモット、そして私たち以外にふれあい広場にいた人たちがパニックになり我先に逃げ出していく。
冷静に考えれば、一般人にはライダーに変身した私が一般人であるジルに襲いかかっているようにしかみえないんだ。
もしかして………ジルはこれを狙ったのだろうか。
でも、そんなの私には関係ない。
奴を倒せば、全て…………
「待って!ノゾミお姉ちゃん!」
「………大丈夫、すぐに終わらせるから!」
「すぐに終わらせる、か……ははっ。
────お前、バカなの?」
私は強化させた身体能力をフルに使い、変身すらしていないジルに斬りかかる。
すぐに終わらせると大言壮語したものの、今までジルに勝てたことなど一度もない。
いくらジルでも変身してない状態なら勝てる……そんな風に考えたのだろうか。
私は、自分の浅はかな決断で国すら滅ぼしたことがある。
そして………私はまた同じ過ちを繰り返そうとしていた。
─────だけど、私のささやかな幸せすら赦してくれない者がいる。
千花が怯えた様子で私にしがみつく。
「……………ジル」
目の前には黒い和服に身を包んだ、浮世離れした少年。
組織のナンバー2。
そして幾度に渡ってライダーを苦しめてきた敵。
私も全く歯が立たなかったあの男………。
「君たちもここに来てたんだぁ……
どう?“お人形さん”とデートして楽しい?」
「人形………?アタシの、こと………?」
思わせ振りな口調と人を小馬鹿にしたような笑みで神経を逆撫でしてくる。
千花の柔らかな表情が、一瞬にして固まる。
汗が滴り落ち、呼吸が荒くなる。
私の服の裾を掴む千花の手が震えている。
「アンタ………千花の何を知ってるの………!?」
《ドライバーオン・プリーズ………》
「おいおい……こんなところで戦うつもり?
もっと場所を考えなよ……『希望の担い手』なんだろ?
………いや、君のソレはもれなく(笑)がつくんだろうけど」
あくまでも軽口を叩き、煽る姿勢を崩さない。
しかし、奴自身は変身どころか、構えようとすらしない。
───どれだけ私をなめているんだ。
「ふざけるな………ジニアも……その息子のアンタも!
絶対に許さない!変身!!」
《EXCEED HOPE!》
《インフィニット!エクシーーーードッ!!》
私はジルが構えるのすら待たず、ホープ最強形態であるインフィニットエクシードへと変身。
専用武器であるシザースセイバーガンを構えるとジルに振りかざした。
「おっとっ………あっぶないなぁ」
ジルはそれを意図も容易く回避してみせる。
振り下ろされたシザースセイバーガンの刃は檻を切り裂いただけ。
「「「わぁぁぁぁぁぁっ!!」」」
異変を察知したウサギやモルモット、そして私たち以外にふれあい広場にいた人たちがパニックになり我先に逃げ出していく。
冷静に考えれば、一般人にはライダーに変身した私が一般人であるジルに襲いかかっているようにしかみえないんだ。
もしかして………ジルはこれを狙ったのだろうか。
でも、そんなの私には関係ない。
奴を倒せば、全て…………
「待って!ノゾミお姉ちゃん!」
「………大丈夫、すぐに終わらせるから!」
「すぐに終わらせる、か……ははっ。
────お前、バカなの?」
私は強化させた身体能力をフルに使い、変身すらしていないジルに斬りかかる。
すぐに終わらせると大言壮語したものの、今までジルに勝てたことなど一度もない。
いくらジルでも変身してない状態なら勝てる……そんな風に考えたのだろうか。
私は、自分の浅はかな決断で国すら滅ぼしたことがある。
そして………私はまた同じ過ちを繰り返そうとしていた。