3話:ナカムラ、ヒーロー辞めるってよ……ってそこまでは言ってない!
ノゾミの使うベッドの下は人一人がやっと入れるくらいの隙間が空いており、なんとか入り込むことに成功した。
このままなんとかやり過ごして後でコッソリ退室するという寸法だ。
やがて2人は私の隠れている部屋に入ってきた。
「……ありゃ?部屋綺麗になってる」
「セッテが綺麗にしてくれたんじゃない?」
私からはふたりの足元だけが見える。
当然これだけ視界が狭いのだから何をしているのかはこちらからは分からない。
故にこうしてバレずに隠れることも出来るのだが。
「まっ、どうでもいいか………
それよりも千花……ミニスカート似合いすぎじゃない?
……ちょっとお姉ちゃん気になるなぁ」
「…もう、ノゾミお姉ちゃんのえっち………」
────は?
なにそれ?
………ノゾミは何をしているの?
ノゾミが千花と真正面から向き合うように立ち、千花が背伸びするかのようにつま先立ちになるのが見えると、それと同時になにやらいやらしい音が聞こえてきた。
ドサッと落ちる荷物。
クチュッ、クチュッと静かな部屋に響くナニカが絡み合う音。
荒くなるふたりの吐息。
───嘘だ。
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ。
なんで?なんでこうなってるの?
私が知らないうちにこのふたりの間に何が起こったっていうの?
私からはふたりの足元しか見えない。
だけど何をしているのかは明白だ。
そしてこれからやろうとしていることも。
やがてふたりがベッドの方に近づいてきたと思ったら、ドスンっと私の頭上から凄まじい音が響き渡った。
それと共にバサッと落ちてくるナニカ。
ベッドの隙間から覗いてみればそれがふたりの衣服や下着だと分かる。
───待ってノゾミ。
それはやめて。それだけはやめて。
貴女には私がいるじゃん。
親友の私じゃ、ダメなの?
私の方が貴女と一緒にいる時間は長いはずなのに。
確かに想いは伝えていない。
でも、なんで………
なんで……貴女は私を選んでくれなかったの?
「─────ッ!!」
──悔しくて声も出せなかった。
金縛りにあったように体も動かなかった。
壊れるのではと心配になるほどに軋むベッドの音と、ノゾミと千花の喘ぎ声が響き渡る。
今までに聞いたことのないノゾミの甲高い喘ぎ声。
──それは、ホントなら私が最初に聞くはずだったのに。
なんで………なんで?
なんで?なんで?なんで?なんで?
なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで………………
───ナンデ、ワタシジャナイノ?
ナンデワタシヲエランテクレナカッタノ?
ナンデアイツガノゾミノトナリニイルノ?
「千花!千花しゅごぃぃ……!
もっと……もっとぉぉ!」
「……お姉ちゃん……お姉ちゃんっ……!」
──軋むベッドの上で愛を確かめるふたり。
軋むベッドの下で、涙に咽ぶ私。
こんなにも惨めなのに。
こんなにも悔しいのに。
気がつけば私はベッドの下で、私の頭上で千花と絡むノゾミを妄想して下着を脱ぎ自慰に勤しんでいた。
──なんでこんなにも惨めなのだろう。
ついこの間出会ったばかりの知らない子に最愛の親友を奪われたことが。
私の方がノゾミと過ごした時間も、繋いできた絆もずっとずっと濃密だったはずなのに。
こんなにも………こんなにもノゾミに尽くしてきたはずなのに。
それを『どうでもいい』という一言で全部ポッと出の女に横からかっさらわれてしまった。
そしてあの女はノゾミの温もりを感じられるのに、私はノゾミの喘ぎ声を聴きながら冷たいベッドの下で自慰しか出来ない。
なんで………どうして…………。
ベッドの隙間から見える唯一の光景が………脱ぎ捨てられたノゾミたちの下着が滲んでいくのが分かった。
このままなんとかやり過ごして後でコッソリ退室するという寸法だ。
やがて2人は私の隠れている部屋に入ってきた。
「……ありゃ?部屋綺麗になってる」
「セッテが綺麗にしてくれたんじゃない?」
私からはふたりの足元だけが見える。
当然これだけ視界が狭いのだから何をしているのかはこちらからは分からない。
故にこうしてバレずに隠れることも出来るのだが。
「まっ、どうでもいいか………
それよりも千花……ミニスカート似合いすぎじゃない?
……ちょっとお姉ちゃん気になるなぁ」
「…もう、ノゾミお姉ちゃんのえっち………」
────は?
なにそれ?
………ノゾミは何をしているの?
ノゾミが千花と真正面から向き合うように立ち、千花が背伸びするかのようにつま先立ちになるのが見えると、それと同時になにやらいやらしい音が聞こえてきた。
ドサッと落ちる荷物。
クチュッ、クチュッと静かな部屋に響くナニカが絡み合う音。
荒くなるふたりの吐息。
───嘘だ。
嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ嘘だ。
なんで?なんでこうなってるの?
私が知らないうちにこのふたりの間に何が起こったっていうの?
私からはふたりの足元しか見えない。
だけど何をしているのかは明白だ。
そしてこれからやろうとしていることも。
やがてふたりがベッドの方に近づいてきたと思ったら、ドスンっと私の頭上から凄まじい音が響き渡った。
それと共にバサッと落ちてくるナニカ。
ベッドの隙間から覗いてみればそれがふたりの衣服や下着だと分かる。
───待ってノゾミ。
それはやめて。それだけはやめて。
貴女には私がいるじゃん。
親友の私じゃ、ダメなの?
私の方が貴女と一緒にいる時間は長いはずなのに。
確かに想いは伝えていない。
でも、なんで………
なんで……貴女は私を選んでくれなかったの?
「─────ッ!!」
──悔しくて声も出せなかった。
金縛りにあったように体も動かなかった。
壊れるのではと心配になるほどに軋むベッドの音と、ノゾミと千花の喘ぎ声が響き渡る。
今までに聞いたことのないノゾミの甲高い喘ぎ声。
──それは、ホントなら私が最初に聞くはずだったのに。
なんで………なんで?
なんで?なんで?なんで?なんで?
なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんで?なんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんでなんで………………
───ナンデ、ワタシジャナイノ?
ナンデワタシヲエランテクレナカッタノ?
ナンデアイツガノゾミノトナリニイルノ?
「千花!千花しゅごぃぃ……!
もっと……もっとぉぉ!」
「……お姉ちゃん……お姉ちゃんっ……!」
──軋むベッドの上で愛を確かめるふたり。
軋むベッドの下で、涙に咽ぶ私。
こんなにも惨めなのに。
こんなにも悔しいのに。
気がつけば私はベッドの下で、私の頭上で千花と絡むノゾミを妄想して下着を脱ぎ自慰に勤しんでいた。
──なんでこんなにも惨めなのだろう。
ついこの間出会ったばかりの知らない子に最愛の親友を奪われたことが。
私の方がノゾミと過ごした時間も、繋いできた絆もずっとずっと濃密だったはずなのに。
こんなにも………こんなにもノゾミに尽くしてきたはずなのに。
それを『どうでもいい』という一言で全部ポッと出の女に横からかっさらわれてしまった。
そしてあの女はノゾミの温もりを感じられるのに、私はノゾミの喘ぎ声を聴きながら冷たいベッドの下で自慰しか出来ない。
なんで………どうして…………。
ベッドの隙間から見える唯一の光景が………脱ぎ捨てられたノゾミたちの下着が滲んでいくのが分かった。