3話:ナカムラ、ヒーロー辞めるってよ……ってそこまでは言ってない!
──あれから2週間と数日。
1月も終盤に差し掛かった頃。
「………改めまして吉田 英華です。よろしくね」
千花は恐ろしい程に飲み込みが早く、すぐにBATTOLERでの仕事を覚えていった。
そして、新しい仲間……というか、元の世界で一緒に戦っていた仲間『フェイト・T・T・アーチャー』さん……いや、ここでは『吉田英華』さんというべきか………が私たちに正式に協力してくれることになった。
私やセッテも、勇騎さんから昨日聞かされたばかりでセッテに至っては泣いて喜んでいた。
大切な仲間が無事だったのだ。無理はない。
ただ、勝利くんや勇騎さんが、フェイトさんと一緒に戦っていたというのは正直意外だった。
てっきり孟くん辺りが助けてくれたのだと思っていたから………。
「「………え?だから知り合いなの?」」
勝利くんと勇騎さんの声が重なる。
そりゃそうか。言ってなかった訳だしこうなるよね。
「………ていう“英華”って名前があるのに“フェイト”って………え?ハーフ?ハーフなのこのお姉さん?確かにパツキンでそれっぽいけど………」
困惑した様子の勝利くんが私とセッテとフェイトさんに訪ねる。
……うーん、なんと説明したらいいのやら。
これには私たちも閉口してしまう。
そもそも着眼点がおかしいし。
「よかったじゃんノゾミお姉ちゃん!」
「う、うん………」
「?……どうしたのノゾミ?」
仲間の無事を喜んでくれる千花。私の顔を覗きこむセッテ。
…………なんでだろう。
フェイトさんと再会できて、大切な仲間が無事で嬉しいはずなのに。
セッテも喜んでるのに。
でも………私は、素直に喜べない。
「…………なんでもない。
買い出し行ってくるね。手伝って千花」
「ちょっとノゾミお姉ちゃん!?」
顔を背け、千花の手を掴むと私はフェイトさんから逃げるようにお店の外へ出る。
───やっぱり、合わせる顔がない。
不甲斐ない姿を………『希望の担い手』として活躍出来てない自分を見られたくないんだ。
失望されたくないんだ…………。
───私はもう、自分に失望したくないんだ。
1月も終盤に差し掛かった頃。
「………改めまして吉田 英華です。よろしくね」
千花は恐ろしい程に飲み込みが早く、すぐにBATTOLERでの仕事を覚えていった。
そして、新しい仲間……というか、元の世界で一緒に戦っていた仲間『フェイト・T・T・アーチャー』さん……いや、ここでは『吉田英華』さんというべきか………が私たちに正式に協力してくれることになった。
私やセッテも、勇騎さんから昨日聞かされたばかりでセッテに至っては泣いて喜んでいた。
大切な仲間が無事だったのだ。無理はない。
ただ、勝利くんや勇騎さんが、フェイトさんと一緒に戦っていたというのは正直意外だった。
てっきり孟くん辺りが助けてくれたのだと思っていたから………。
「「………え?だから知り合いなの?」」
勝利くんと勇騎さんの声が重なる。
そりゃそうか。言ってなかった訳だしこうなるよね。
「………ていう“英華”って名前があるのに“フェイト”って………え?ハーフ?ハーフなのこのお姉さん?確かにパツキンでそれっぽいけど………」
困惑した様子の勝利くんが私とセッテとフェイトさんに訪ねる。
……うーん、なんと説明したらいいのやら。
これには私たちも閉口してしまう。
そもそも着眼点がおかしいし。
「よかったじゃんノゾミお姉ちゃん!」
「う、うん………」
「?……どうしたのノゾミ?」
仲間の無事を喜んでくれる千花。私の顔を覗きこむセッテ。
…………なんでだろう。
フェイトさんと再会できて、大切な仲間が無事で嬉しいはずなのに。
セッテも喜んでるのに。
でも………私は、素直に喜べない。
「…………なんでもない。
買い出し行ってくるね。手伝って千花」
「ちょっとノゾミお姉ちゃん!?」
顔を背け、千花の手を掴むと私はフェイトさんから逃げるようにお店の外へ出る。
───やっぱり、合わせる顔がない。
不甲斐ない姿を………『希望の担い手』として活躍出来てない自分を見られたくないんだ。
失望されたくないんだ…………。
───私はもう、自分に失望したくないんだ。