3話:ナカムラ、ヒーロー辞めるってよ……ってそこまでは言ってない!
「イヤァァァァァァァァァァァァ!!
あぁッ……あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ノゾミお姉ちゃん!?」
声が聞こえる方へ向かう。
まばらに配置された街灯が照らす公園だ。
昼間、子供で賑わっているであろう小さな公園だが、日が落ちた今は街中の喧騒とは対照的に閑散としていた
そんな誰もいない薄暗い公園の街灯も当たらない暗闇の中にノゾミお姉ちゃんはいた。
何かに怯えているかのように、一点を見据えては地面をのたうち回っている。
「イヤッ!来ないで!!もうやめてぇ!!」
何かに怯えてはその一点に向かって砂や石を投げるのだが、そこには何もいない。
ただ投げられた石や砂が地面に落ち、砂ぼこりが舞うだけ。
「どうしたの!?どうしたのノゾミお姉ちゃん!?」
慌てて錯乱するノゾミお姉ちゃんを押さえる。
臭いとグチュッという生々しい音で気がつき、地面の方に視線を落とす。
失禁したのかノゾミお姉ちゃんのスカートと地面が濡れており、ノゾミお姉ちゃんのスカートに触れた私のニーソックスも濡れてしまったのだが、もうそんなこと気にしていられない。
「いやっ!やめて!!離して!!」
「そこには何もいない!!
ノゾミお姉ちゃんは何に怯えてるの!?」
ノゾミお姉ちゃんを落ち着かせようと、ノゾミお姉ちゃんにしがみつくのだが………ダメだ、アタシの声は届いていない。
何があったの?いや、ノゾミお姉ちゃんには“何が見えてるの”?
私にはノゾミお姉ちゃんが何もないところを見て怯えているようにしか見えなかった。
「ごめんなさい!ごめんなさい!
あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………!!」
「ノゾミお姉ちゃん………」
必死に暴れるノゾミお姉ちゃんを押さえるのだが、ノゾミお姉ちゃんは依然として正気を取り戻さない。
アタシは彼女の体に手を回し、自分の胸元に彼女の耳が当たるように彼女を抱き締める。
……何故、こんな行動をとったのかは自分でも分からない。
でも泣いている子供には、こうやって心臓の鼓動を聞かせることで落ち着くというのは知識として私の中に残っている。
「大丈夫だよ………大丈夫だから…………」
「………ち、千………花…………?」
ノゾミお姉ちゃんの体を抱きしめ、背中を擦る。
優しいぬくもりと柔らかい香りを感じるそのか細い体は、何処か頼りなく今にも壊れてしまいそう。
何があったかなんて分からないよ。
でも昼間に出会った時に感じたあの“懐かしさ”…………
それに、彼女の何処か影を感じるその表情 を見ればもう……放っておくことなんて出来ない。
「ノゾミお姉ちゃん…………アタシが、あなたを護るから…………」
───なんでこんな言葉が出たのだろう。
今日初めて出会ったのに。
出会って数時間くらいしか経ってないのに。
でも………人はこれを、“運命”と形容するんでしょ?
きっとそうだ。これがアタシの運命。
アタシは………
───この人に………ノゾミおねえちゃんに出逢うために、生まれてきたんだ。
それを運命と言うのなら、アタシはそれを受け入れる。
あぁッ……あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
「ノゾミお姉ちゃん!?」
声が聞こえる方へ向かう。
まばらに配置された街灯が照らす公園だ。
昼間、子供で賑わっているであろう小さな公園だが、日が落ちた今は街中の喧騒とは対照的に閑散としていた
そんな誰もいない薄暗い公園の街灯も当たらない暗闇の中にノゾミお姉ちゃんはいた。
何かに怯えているかのように、一点を見据えては地面をのたうち回っている。
「イヤッ!来ないで!!もうやめてぇ!!」
何かに怯えてはその一点に向かって砂や石を投げるのだが、そこには何もいない。
ただ投げられた石や砂が地面に落ち、砂ぼこりが舞うだけ。
「どうしたの!?どうしたのノゾミお姉ちゃん!?」
慌てて錯乱するノゾミお姉ちゃんを押さえる。
臭いとグチュッという生々しい音で気がつき、地面の方に視線を落とす。
失禁したのかノゾミお姉ちゃんのスカートと地面が濡れており、ノゾミお姉ちゃんのスカートに触れた私のニーソックスも濡れてしまったのだが、もうそんなこと気にしていられない。
「いやっ!やめて!!離して!!」
「そこには何もいない!!
ノゾミお姉ちゃんは何に怯えてるの!?」
ノゾミお姉ちゃんを落ち着かせようと、ノゾミお姉ちゃんにしがみつくのだが………ダメだ、アタシの声は届いていない。
何があったの?いや、ノゾミお姉ちゃんには“何が見えてるの”?
私にはノゾミお姉ちゃんが何もないところを見て怯えているようにしか見えなかった。
「ごめんなさい!ごめんなさい!
あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………!!」
「ノゾミお姉ちゃん………」
必死に暴れるノゾミお姉ちゃんを押さえるのだが、ノゾミお姉ちゃんは依然として正気を取り戻さない。
アタシは彼女の体に手を回し、自分の胸元に彼女の耳が当たるように彼女を抱き締める。
……何故、こんな行動をとったのかは自分でも分からない。
でも泣いている子供には、こうやって心臓の鼓動を聞かせることで落ち着くというのは知識として私の中に残っている。
「大丈夫だよ………大丈夫だから…………」
「………ち、千………花…………?」
ノゾミお姉ちゃんの体を抱きしめ、背中を擦る。
優しいぬくもりと柔らかい香りを感じるそのか細い体は、何処か頼りなく今にも壊れてしまいそう。
何があったかなんて分からないよ。
でも昼間に出会った時に感じたあの“懐かしさ”…………
それに、彼女の何処か影を感じるその
「ノゾミお姉ちゃん…………アタシが、あなたを護るから…………」
───なんでこんな言葉が出たのだろう。
今日初めて出会ったのに。
出会って数時間くらいしか経ってないのに。
でも………人はこれを、“運命”と形容するんでしょ?
きっとそうだ。これがアタシの運命。
アタシは………
───この人に………ノゾミおねえちゃんに出逢うために、生まれてきたんだ。
それを運命と言うのなら、アタシはそれを受け入れる。