3話:ナカムラ、ヒーロー辞めるってよ……ってそこまでは言ってない!

「なんだよ、もうノンたんも毒されてんじゃねーかwwww」


「草生やすな。そして発音出来ない草を台詞に入れるな」


私を小馬鹿にしたように勝利くんはケラケラ笑う。

私の仲間に台詞に草を生やす人がいたが、あれはあれでイラッとしていたがコイツは…………

………一回シメてやろうか?



「そんなことはいいから私の前歯」


「ごめん、セッテも黙って?頭痛がする」


なんでこんなにボケ倒す人間しかいないのだろう?

ごめん、誰かツッコミ役変わって?



「セッテの前歯を治すのは簡単だ。

でも、どこから前歯を調達すると思う?


……………ノゾミの口の中だ」


「『万丈だ』みたいなノリでいうの止めてもらえません?」


勇騎さんも時折ノリで無茶苦茶なことを言う。


何これ?私がおかしいの?

ていうかみんな私のいないところで打ち合わせでもしてるの?



「ノゾミの前歯が私に…………

………お願いします!!!」


「ごめんセッテ。お願いだからちょっと休ませて?」


ダメだこいつら。はやくなんとかしないと。



「ノゾミ………」


そんな中、ノエルちゃんが心配そうな顔をして私の顔を覗きこむ。

おぉ!まともな人がいたよ!!

良かった助かった!愛してるよマイエンジェル!!



「………頭、大丈夫?」


「お"ぉ"ぉ"ぉ"ぉ"ん"!?」


「ちょっ!?なんで俺!?」


……思わずバ勝利の胸ぐらを掴みかかってしまう案件だよこれは。

バ勝利が狼狽えているが知ったことではない。



「暴力反対!俺怪我人!俺怪我人だから!!

流石にそこ配慮してよ!

マジでそれは勘弁ってノンたん!!」


「うるさいとりあえず殴らせろ」


「何でもかんでも暴力で解決するなって!

ほ、ホラ!ノエルも!!」




「…………ノゾミは、ゴリラなの?」









──────ボ。








「………………ノン、たん………


そりゃ…………ねーっスよ……………」



私の目の前には、さっきまでバ勝利だったものが辺り一面に…………




「転がってねぇ…………よ」


「「「「おー、いぇー………」」」」



ホントに、なんなのこのノリは!?
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