「勇騎さん、信用なさすぎ～～～！」


待ってましたと言わんがばかりにこの間のIKKOのような口調で勇騎さんを煽る勝利くん。


ホンッッッッットにコイツはこういうときだけはもの凄くいい表情をするよ。




「うるせっ」


「なさすぎ～～！サムシングエルス～～！」


「うるせっ」


「サプッラ～～～イ！世界中がドライ「うるせぇぇぇ！！」


手刀が勝利くんの頭に叩き込まれる。


やっぱり、こうなるよね。

これだけ煽りに煽れば………ねぇ。



「いったぁ！なにすんだよ！？」


「素人は黙っとれ」


「どこの農家！？」


「いやノンたん、あの人は農家じゃなくてアイドルだからね？」


驚愕の真実だが………まぁ、いいや。


そして、心なしか勇騎さんの表情が渋く見えるのは気のせいか。




「ザイアスペックと天才物理学者の頭脳のベストマッチを持ってすればセッテの前歯くらい治せる」


「「いや。勇騎さんの発想も素人っぽいから」」


「素人は黙っとれ──」


「「………」」


これには隣にいた勝利くん共々閉口してしまう。

勇騎さんは忘れているのだろうか。


自分が天才物理学者ではなく、“エセ”天才物理学者であることを。


そしてその頭脳が天才物理学者からの借り物であることを。