2話:魔法少女としてがんばります!……ってどおしてだよォォ!!

「………美味しかった~~~!」


「早いねぇ、セッテ」


あれからセッテは怒濤の勢いでお雑煮のおかわりを続け、テーブルには空になった茶碗がいくつも積み上げられていた。


私は一口食べるごとにその余韻に浸っていたものだから結局2杯程度しかおかわりをしていない。



「………なぁ、ノンたん」


すると勝利くんがこちらにやって来た。

お雑煮の入った茶碗をもって。



「よかったら食べる?」


「えっ?いいの?」


「………うん、いいんだよ」


……勝利くんは、なんかばつの悪そうな顔をしている。

私は不審に思い首を傾げるものの、彼から茶碗を受け取り、お雑煮を食べる。



「う~~~ん……やっぱり美味しい!」


「…………それなら、よかったよ」


あれ?なんか勝利くんゲッソリしてない?

まぁ、いいけど。



「このお雑煮を食べないのはバカだよ!

こんなにおつゆが美味しいのに!これはもう悪魔的だよ!

ダシ何使ってるんだろう?やっぱり魚介?」



───我ながらバカだと思う。


得意気にこのお雑煮の味を語り、通ぶってダシが何かまで考えている。

でも、このお雑煮はそんなものではない。

勝利くんは無表情で一言告げる。




「…………俺の勘が正しければ“ヒューマンのダシ”だ」


「………は?ヒューマン?人間?どゆこと?」


うん、意味が分からない。

いやいやいや、そんなバラエティー番組じゃないんだから。





「………ババンババンバンバン!!

アビバビバビバ!ババンババンバンバン!」

いってる側から勇騎さんの声が聞こえてくる。

それも台所の方から。

ていうか歌のチョイス………。



「っ!!!」


台所から聞こえる狂った勇騎さんの声。

そして、台所から聞こえてはならない歌。



何かに突き動かされるように私はカウンターを超え、台所へと向かう。





……………そこにあったのは



「………いい湯だな♪アハハン!いい湯だな♪アハハン!○※△☆□◇~~♪」



火にかけられた巨大な調理用鍋。


そして、中には呑気にゆたってる勇騎さん。


顔から血の気が引いて行く。

吐き気がして寒気がして………。




…………この瞬間、私は全てを悟った。




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「ど"ぉ"し"て"だ"よ"お"お"あ"あ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"ァ"!!」


気分は地下行きだク"ソ"ォ"ォ"ォ"ォ"!!


私はその場で芋虫の如く転がり、喚く。



ヒューマンのダシと呼ばれていたものは、ライダー同盟のリーダー的ポジションである呼道勇騎さんのダシだったのだ。


………って!なんで勇騎さんからダシがとれるの!?

誰か説明!説明プリーズ!!
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