2話:魔法少女としてがんばります!……ってどおしてだよォォ!!

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……夢を見ていた。



正直、もう思い出したくない光景。


でも決して許せない、いや許してはいけない。



───そんな私の過ち。




紅蓮の炎に包まれる街………いや、国。


これは私がやっているんだ。

私が放った炎が街を、人を焼き払っているのだ。



断末魔が炎のうねりに飲み込まれる。

泣き叫ぶ声が爆音に掻き消される。



………私は何がしたかったんだろう。


始まりは両親への憧れだった。

それからはギルドに入って強くなって、
両親のように仮面ライダーになって。


それから希望の担い手なんて呼ばれるようになって。



悩むこともあったけど、何不自由なく今までやってこれたと思う。




私は増長していたのだろうか?


これは、そんな私への天罰だったのだろうか?




私は、希望だと信じていた私の力でひとつの国を地獄に変えた。




国の名前は『シャングリラ』。

そして、そこには私を救ってくれた人もいた。




「勝利を………。

息子を…………頼む」


私に想いを託してくれた人。

私が救いたいと願った人。


………でも救えなかった。


それどころかその人は私が手をかけた。



私の腕があの人の体を貫いた。


流れ出る血の匂い。

徐々に失われていく彼の体温。

貫いた彼の体の感触。


そして、私の腕で彼の命が消えていくその瞬間も………。




そのすべてが脳裏にこびりついている。





なんでこうなったの?

私は大切な人たちを守りたかっただけなのに。


なんで私が自分の手で大切なものを壊してるの?



なんで………なんで……………!なんで!!



助けて………こんなの嫌だよ………

助けて………!!










「彰一さん……………っ!!」


瞬間、バッと飛び込んでくる光。


そして体の痛み。


目が慣れてきた頃に眼前に広がっているのは見慣れた光景。


この世界で私にあてがわれた部屋。




───そっか。戻ってきたんだ。
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