2話:魔法少女としてがんばります!……ってどおしてだよォォ!!

「………っ!やるじゃないか………」


地面に叩きつけられ、何度もバウンドする。


ディケイドドライブは受け身を取り、体制を立て直す。


そしてディケイドドライブはバックル両端のサイドハンドルを展開し、再びカードを取り出した。



「させない………!」


《CLOCK UP》


再びクロックアップを発動し、加速する。

ツヴァイを構え次の多段変身『カメンライド』を行おうとするディケイドドライブに斬りかかる。


しかし、私の刃が奴に届くか否か……そんなタイミングだった。


急に私の視界が真っ白に染まった。




「ッ!!………ぐぅぅぅ…………っ!」


《CLOCK OVER 》


それと同時に全身に走る激痛。

たまらずクロックアップが解除されてしまう。



───何が起こったか分からなかった。



奴は確かにクロックアップした私に干渉できる規格外の相手。


だけど今何をされたかは私の力を持ってしても全く分からなかったのだ。




「“エレクトロファイヤー”…………!」


《KAMEN RIDE………STRONGER!》


目の前に現れたディケイドは新たな姿へ多段変身を遂げていた。


カブトムシを模した巨大な角に、大きな複眼。

しかし、その姿はカブトのようにスマートなものではない。

マッシブな体型でアメフト選手のような巨大なアーマーが上半身を覆っている。



かつて伝説の7人ライダーと呼ばれた伝説の中の伝説の仮面ライダー……『ストロンガー』だ。




「なんで…………?ストロンガーは昭和ライダーのはず………」


現在、仮面ライダーを大まかに分類すると3つに分けることが出来る。


まずは1号~Jまでの人間に改造手術を施し改造人間としたライダーたち『昭和ライダー』。


次にクウガ~ジオウまでの多種多様な変身方法を用いる『平成ライダー』。


そして新たな時代を担うゼロワン以降の『令和ライダー』。


これら3つに分類されないライダーたちもいるが大半はこの3つに分類されると考えてもいい。


そしてディケイドは誕生当時はクウガ~キバまでの9人のライダーにしか変身出来なかったが、旅を重ね『二度目のライダー大戦』や『タイムジャッカーとの戦い』を経て19人のライダーに変身出来るようになった。


それでも私の知っている限りディケイドが変身出来るのは世界の中核を担う『平成ライダー』に分類される仮面ライダーだけ。


“昭和ライダーには変身出来ないはずだ”。






「………誰が平成ライダーにしか変身出来ないと言った?


今の俺の力は総てのライダーの力だ………!」




ストロンガーに多段変身したディケイド………『ディケイドストロンガー』は私を見据える。




───またもやこの男は私たちの想定を超えた。



かつてディケイドが全てのライダーを破壊したライダー大戦から10年以上たった今でもその力は全く衰えることなく、むしろ今でも進化を続けている。



やはり規格外………いや規格外すぎる。



私はツヴァイを構え直し、気合いを入れ直すのだった。
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