2話:魔法少女としてがんばります!……ってどおしてだよォォ!!

「さて。勇騎でもないが、反撃開始させて貰おうか………」


ディケイドは奪い返したライドブッカーをカードホルダーの機能を果たすブックモードへと変形させると、カードを1枚取り出す。


カードに描かれたのは“赤いライダー”。


私と同じくクロックアップを使えるマスクドライダー………“カブト”ではない。


そのライダーは赤いスポーツカーを人型にしたようなライダー………ドライブである。




「変身」


《KAMEN RIDE……DRIVE!》


音声と共に赤い装甲が形成・装着。
更には何処からともなく飛んできたタイヤが胸部に装着されればベルトを残してカードに描かれたライダー・ドライブそのものの姿となる。



「ひとっ走り付き合え………!」


《SPE・SPE・SPEED!》


左腕のシフトブレスを操作すれば、胸部のタイヤが高速回転しはじめ、それと同時に『ディケイドドライブ』は高速移動を始める。



「仕方ない………!」


こちらもクロックアップで対抗しなければ
やられる。

クロックアップを再び発動させれば、奴に迫る。



「はぁっ………!」


ディケイドドライブはドライブの専用武装であるハンドルが付いた刀……『ハンドル剣』を、私はツヴァイを携え、互いに切り結ぶ。


何人たりとも視認できぬ高速の世界で何度も何度も。


飛び散る火花だけがその熾烈な戦いを物語る唯一の証となる。



《TURN!TURN!U-TURN!》


《ドリフトカイテーン!》


高速移動下での高速回転を織り混ぜた強力な斬撃。

まるで独楽のように回転しながら対象を何度も何度も斬りつけるその連撃に、私は防戦一方となる。



「だったら………!」


《Short Invisiale》


「何…………?」


とどめの一撃を浴びせようと迫るディケイドドライブ。

しかしその刃が私の体を捉えるより先に私の姿は掻き消え、ディケイドドライブの刃は宙を切る。


“ショートインビジブル”。

透明化による回避と不意討ち。



まさにこのユライトの姿に相応しいチカラだ。



「こっちだよ……!」


空振りにより回転を止めたディケイドドライブの背後に現れ、回し蹴りによる攻撃を叩き込む。


マスクドライダーシステムのスペックだけでない………私のお姉ちゃん、総ての神の原初の神……『創世龍』の加護により極限にまで強化された蹴りだ。


その威力はディケイドの装甲材であるディヴァインオレの耐久性すら軽く上回る一撃だ。



「ぐっ………!」


咄嗟に両手を交差させ、防御の姿勢を取る。

流石に反応は早いが、無駄だ。


蹴りを放つ脚に更に力を込め……

力任せにディケイドドライブの体を大きく吹っ飛ばした。
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