2話:魔法少女としてがんばります!……ってどおしてだよォォ!!

ドォォォォォン!!


大気や地面を震わせるほどの轟音が響く。


どんぶり型の牢獄の消滅と共に、巨大タコはあらゆるものを撒き散らしながら爆発四散する。


これでは、たこ焼きでも海鮮丼でもなく、茹でタコの刺身である。



「びぇぇぇぇぇぇん!!ひどいだっちゃ!ひどいだっちゃあぁ!

タコのぞどころかデカのぞまでこっぱみじんにするなんて!」


巨大タコが爆発四散し、小さな子供のように泣き続けるノゾミ・ナカムラ……いや、プリティ☆のぞみんか。


しかし、自分と同じ顔の娘が能天気な格好をして珍妙なしゃべり方をしながら泣き叫ぶ姿を見るのは、少々複雑な気分だ。


なんというか……目を背けたくなるほど気持ち悪い。



しかも地面に転がりながら駄々をこねるように暴れるものだからイチゴ柄の下着が丸見えなんだが………


哀れすぎて少々複雑な気分だが、気にすることもないか。



「感謝する………おかげでエクスライザーの性能を把握することができた。

他の連中ではテストにもならなかったからな。


だが……茶番は終わりだ」


《TRIGGER!MAXIMUM-DRIVE!! 》


エターナルエッジに収束する青い光。

僅かなチャージ時間の後、奴目掛けて放たれる。


しかし、奴は…………



《ときめきっ!リフレクト!》


放たれたエネルギー弾を魔法で跳ね返してきたのだ。

跳ね返されたエネルギー弾は私の頬を掠め、背後の崖を大きく抉る。



「まだだっちゃよ…………!」


私の攻撃を跳ね返すと、奴は立ち上がる。

その顔には不敵な笑み。


本当にふざけている。

エクスライザーもまともに扱えていないというのに、その切り替えの速さだけは相変わらず達者だ。



「そう来なくてはな………」


その笑みをみては私はエターナルエッジを構える。

これこそが私が望んだもの。


極限の戦いの果て、打ち破ると誓った私の“光”。



私はエターナルエッジを構えながら仮面の下で柄にもなく顔が笑みに歪んでいくのを感じていた。
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