2話:魔法少女としてがんばります!……ってどおしてだよォォ!!
「う、うるせぇっ!こまけぇことはいいんだよ!」
「「……」」
もはや、語る言葉はない。
俺とユライトは閉口する。
ドラゴンのお姉さんから、仮面越しに冷たい視線が送られていることに勇騎さんは気づかないのか!?
「………全く、世話がやける」
破壊者はマゼンタに彩られたバックルを腰に装着し、サイドハンドルを開くとカードを取り出す。
カードに描かれていたのはマゼンタの仮面に緑の複眼、そしてそれらを貫くように刺さったカードのようなものが目を引く仮面。
破壊者のもうひとつの姿だ。
「変身!」
《KAMEN RIDE……DECEAE!!》
カードを装填しサイドハンドルを閉じる。
その瞬間、無数の“影”が破壊者に折り重なり、スーツを構成するとカードに描かれている通りに通行手形がメットパーツを貫く。
そして、それを合図にスーツがマゼンタに、複眼が緑に染まれば変身完了となる。
ピンクと見紛うようなマゼンタに彩られた装甲。
頭部を刺し抜く7枚のプレート。
漢数字の“十”とも、ローマ数字の“Ⅹ”ともとれる胴体装甲の装飾。
他のライダーと比べても異質な部類に入るソイツは“破壊者”を“破壊者”たらしめる姿。
“ディケイド”。
これがあの男のもうひとつの姿である。
「さて。少し遊ぼうか、神龍………」
「………っ!」
腰に装備されていた大きめのホルダーを取り外すと、それを刀に変形させ刀身を撫でる。
そして瞬時に地面を蹴るとまるでコマ落としのようにユライトに肉薄し、刀を振るった。
………いや、刀身を撫でたあとからは推測でしかない。
何故ならば俺にはその過程が全く見えなかったからだ。
ただ、ディケイドと切り結ぶユライトの姿でそう判断せざるを得なかったというだけだ。
…………何を言ってるかわからないって?
俺だって何が起こってるか全くわからないんだ。
ただ、これこそが“戦い”なのだ。
テレビやゲームの中での娯楽とは天と地の差。
そこには“希望”だとか“正義”だとか、そんな戯れ言などは通用しない。
───“殺す奴”と“殺される奴”がいるだけの世界。
しかも都合のいいコンティニューなどはありはしない。
だからこそ油断をすれば命を落とす。
勇騎さんのおかげで少しだけ忘れそうになるが、俺たちがいる世界はそういう世界なのだ。
「さぁて。こっちも始めるか、来栖………!」
「いいだろう………。来い!」
少し遅れて、リベルとアシッドローグも戦闘を開始する。
───俺たちは“戦争”をしている。
互いの信念のために世界を滅ぼすか、仇なすものを全てを滅ぼして世界を救うか。
文字通り、世界の命運を天秤にかけて戦っている。
そこには“主義”も“尊厳”も“名誉”も“義務”も………
無論、“正義”も“悪”も“希望”も“絶望”もない。
ただそこにあるのは“事実”と“主観”だけ。
主観を元に与えられた事実を脚色して、
互いが互いを恨み、また互いに憎しみをぶつける。
それに気づいたからこそ………時々思うのだ。
俺たちの戦いはいつ終わるんだ、と。
───俺たちの戦いに意味などあるのか、と。
「「……」」
もはや、語る言葉はない。
俺とユライトは閉口する。
ドラゴンのお姉さんから、仮面越しに冷たい視線が送られていることに勇騎さんは気づかないのか!?
「………全く、世話がやける」
破壊者はマゼンタに彩られたバックルを腰に装着し、サイドハンドルを開くとカードを取り出す。
カードに描かれていたのはマゼンタの仮面に緑の複眼、そしてそれらを貫くように刺さったカードのようなものが目を引く仮面。
破壊者のもうひとつの姿だ。
「変身!」
《KAMEN RIDE……DECEAE!!》
カードを装填しサイドハンドルを閉じる。
その瞬間、無数の“影”が破壊者に折り重なり、スーツを構成するとカードに描かれている通りに通行手形がメットパーツを貫く。
そして、それを合図にスーツがマゼンタに、複眼が緑に染まれば変身完了となる。
ピンクと見紛うようなマゼンタに彩られた装甲。
頭部を刺し抜く7枚のプレート。
漢数字の“十”とも、ローマ数字の“Ⅹ”ともとれる胴体装甲の装飾。
他のライダーと比べても異質な部類に入るソイツは“破壊者”を“破壊者”たらしめる姿。
“ディケイド”。
これがあの男のもうひとつの姿である。
「さて。少し遊ぼうか、神龍………」
「………っ!」
腰に装備されていた大きめのホルダーを取り外すと、それを刀に変形させ刀身を撫でる。
そして瞬時に地面を蹴るとまるでコマ落としのようにユライトに肉薄し、刀を振るった。
………いや、刀身を撫でたあとからは推測でしかない。
何故ならば俺にはその過程が全く見えなかったからだ。
ただ、ディケイドと切り結ぶユライトの姿でそう判断せざるを得なかったというだけだ。
…………何を言ってるかわからないって?
俺だって何が起こってるか全くわからないんだ。
ただ、これこそが“戦い”なのだ。
テレビやゲームの中での娯楽とは天と地の差。
そこには“希望”だとか“正義”だとか、そんな戯れ言などは通用しない。
───“殺す奴”と“殺される奴”がいるだけの世界。
しかも都合のいいコンティニューなどはありはしない。
だからこそ油断をすれば命を落とす。
勇騎さんのおかげで少しだけ忘れそうになるが、俺たちがいる世界はそういう世界なのだ。
「さぁて。こっちも始めるか、来栖………!」
「いいだろう………。来い!」
少し遅れて、リベルとアシッドローグも戦闘を開始する。
───俺たちは“戦争”をしている。
互いの信念のために世界を滅ぼすか、仇なすものを全てを滅ぼして世界を救うか。
文字通り、世界の命運を天秤にかけて戦っている。
そこには“主義”も“尊厳”も“名誉”も“義務”も………
無論、“正義”も“悪”も“希望”も“絶望”もない。
ただそこにあるのは“事実”と“主観”だけ。
主観を元に与えられた事実を脚色して、
互いが互いを恨み、また互いに憎しみをぶつける。
それに気づいたからこそ………時々思うのだ。
俺たちの戦いはいつ終わるんだ、と。
───俺たちの戦いに意味などあるのか、と。