2話:魔法少女としてがんばります!……ってどおしてだよォォ!!

「バカな!?アシッドローグのネビュラガスを浴びて人格を取り戻すなど……あり得ない!」


「勇騎さん………俺が、わかるのか………?」


俺は地面に倒れ伏したまま、意識を取り戻したリベルアシッドスマッシュ……いや勇騎さんの姿を見上げる。



「まだ………体は思うように動かせないけどな…………」


見れば、リベルアシッドスマッシュは武器を構えたまま痙攣したかのように震えている。

どうやら俺たちを攻撃しないように、必死に抑え込んでいるようだ。



「な………何が『死んでも誰も文句は言わない』だ………。

なら俺が言ってやるよ………ふざけんな!!


……もう仲間を救えないなんてのは御免だ…………!誰も死なせない……誰も………!!」


「ええい!ふざけるなァァ!!」


《デビルスチーム!!》


奴の剣から放たれる悪魔の力。

黒い霧が勇騎さんの身を再び悪魔に作り替えようと蝕んで行く。



「うわぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


「勇騎さんっ!!」


今度はその身だけでなく、その心までもを染めて行く。



───まずい、このままじゃ………!



しかし、ユライトは何もせずにその様子を見ている。



「な………何して……るんだよ!勇騎さんを………!」


「……なんで人に頼るの?

今の言葉を聞いて、自分であの人の事を助けたいとは思わないの?」


───助けたいよ。この体か動くんなら。

例え変身出来なくても。例え無力でも。

どんな手を使っても。



「助けたい……助けたいよ!なんでもするから!」


「そう………。その言葉に偽りはない?」


仮面越しに俺を見るユライト。


俺を軽蔑しているのか、はたまた俺を試しているのか。


それはわからない。でも………



「あぁ、やってやる………!文字通りなんでもな!」
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