完結編

「ぐっ!?」


吹っ飛ばされた俺の体は地面に叩きつけられ、その衝撃でセーフティシステムが起動し、変身解除。


しかし、俺は立ち上がる。



奴はアンゲロス。

俺たち駅の子の命を弄んだ決して許してはいけない敵だ。


それだけで戦う理由は十分だ。




「そうだ………立ち上がるがいい次代の王よ………。

私の求めているのはそれだ…………!」


俺を煽るかのように両手を広げる黄金の悪魔。

奴を“狩る”のなら、もうこれしかない。



俺は新たな2本のカプセルを取り出した。




《アマゾン!》《シン!》


《デュアルフュージョン!ヴァルツ!モンスウォーリアー!》


《ぶち壊せ!覆せ!全て焼き尽くせ!轟く野生の力!》


カプセルを起動させ、ホルダーに装填。

それをエクスライザーで読み込ませカプセルの中のライダーたちの力を解放する。


それと同時に俺の体には刻印が刻み込まれ、ヴァルツの装甲を突き破り、俺の体を異形の怪物へと変化させた。


特殊な能力は念力くらいしかないが、身体能力を極限まで高めた姿。


こいつの念力であの厄介な武器をはたきおとせれば、少なくともあの『ジャッキングブレイク』なる技は使えなくなるのでは?



だが…………奴の武器をはたきおとすなど俺にできるのだろうか?





…………いや、迷っている暇はない。




「これでも喰らいやがれっ!!」


まずは目眩ましとして、手近の瓦礫を奴の眼前へと飛ばす。


そしてそれを念力により奴の目の前で破裂させる。

するとコンクリートの粉塵が巻き上がり、奴の視界を覆う。




「おやおや………」


奴は未だに余裕綽々。

しかし俺は奴のリアクションなどいちいち気にしていられない。




「おらぁっ!」


ベーシックの倍以上に強化された瞬発力を用いて一気に距離を詰めると奴の武器を持つ手目掛けて蹴りを放つ。

こちらも再び力を奪われるリスクを孕んだ作戦ではある。


だが、少しでも状況を好転させるにはリスクを負わなければならない。






そして────。
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