完結編
「おやおや………」
奴は余裕綽々といった様子で、剣と突撃槍を合体させたような武器を構えた。
そして、俺の振るうヴァルツクローを受け止めてしまう。
「お前だけはっ!お前だけは絶対に許さねぇ!
俺たちの命を弄んで!傷つけて!この人でなしがぁぁっ!!」
力押しでは絶対に勝てない。
そんなことは分かっていたはずなのに俺は頭に血が登ってしまって冷静な判断が出来ずにいた。
目の前には憎むべきアンゲロス。
背後には仲間の成れの果て。
───またアンゲロスが奪ったんだ。俺の仲間を。
「ふふふ……何を言っているんですか………。
貴方も同じでしょうに。
貴方も私の仲間……アンゲロスの命を奪ってきた………
お互い様、という奴でしょう?」
「お前と一緒にすんじゃねぇ!!」
《ドゥンケル!バースト!》
ヴァルツクローに宿る黒いオーラ。
それと同時に右腕の人工筋肉がビルドアップし、更に力を込める。
このまま奴の武器を破壊するつもりだったんだ。
しかし………
「───っ!」
「うわっ!?」
腹部に走る鋭い痛み。
奴の拳が叩きつけれたのだ。
無論、攻撃はそれだけでは終わらない。
《JACK RISE!》
「なっ!?」
────それは見たこともない機能だった。
奴の武器の切っ先が俺のベルトに触れ、奴が自分の武器のグリップエンドを引いた瞬間だった。
急に体が重くなったように感じたのだ。
まるで力が抜けていくように……いや、これは“奴が俺の力を奪っているんだ”。
「なるほど……ジニアから提供されたデータを元に“サウザンドジャッカー”を改良して正解でした。
………まさか、ヴァルツのテクノロジーまで奪えるようになるとは」
“技術(テクノロジー)を奪う”。
奴の言う『テクノロジーを奪う』という言葉をこの状況に当てはめて意訳すれば、『ライダーの能力を奪う』ことだというのは容易に想像できる。
「まさか………ヴァルツのチカラを奪ったってのか………!?」
平成ライダーの能力を無力化するライダーの力ならジニアも使っていたが、まさかライダーの能力を奪うライダーまでいたなんて。
こうしている間にも、ヴァルツのスーツ内のエネルギー出力が下がり続けている。
事前に知れていたら対策も打てたはずだ。
だけど、現実はそんな予備知識を与えてくれるほど甘くはない。
「───次代の王のテクノロジー、頂きました」
《THOUSAND DISTRACTION……!》
武器を引き抜いた途端、頭部に走る衝撃。
それと共に一瞬、意識が飛んだ。
「勝利!」「椿っ……!」
次に気がついた時には俺の体は建物の外へと投げ出されていた。
奴はというと、自慢の武器を構え、俺の恐怖を煽るかのようにゆっくりと歩み寄る。
「くっ………!!」
立ち上がろうとするが、やはり体は重い。
そして思うように体を動かせない。
『能力を“奪った”相手を弱体化させる』………
これがアイツの武器の副次効果って奴かい……!
「フフフ………私の愛馬は凶暴です」
《JACKING BREAK………!》
トリガーを引いたと当時にグリップエンドがオートで押し込まれ、必殺の一撃が放たれる。
白いオーラと黒いオーラがそれぞれベーシックフェイズのヴァルツの姿を象る。
そして、2体のヴァルツがそれぞれ俺目掛けてキックを放った。
これが奴の武器……サウザンドジャッカーの力。
奪った相手の能力で必殺技を放つ………それが奴が変身したライダー……サウザーの力。
だが、それが解った所で今の俺には対抗策など思い付きもしなかった。
《……ZAIA ENTERPRISE》
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
2体のヴァルツのオーラによる蹴撃が俺の体に叩きつけれる。
俺の体は更に吹っ飛ばされ………爆発音と共に目の前が眩い光に包まれた
奴は余裕綽々といった様子で、剣と突撃槍を合体させたような武器を構えた。
そして、俺の振るうヴァルツクローを受け止めてしまう。
「お前だけはっ!お前だけは絶対に許さねぇ!
俺たちの命を弄んで!傷つけて!この人でなしがぁぁっ!!」
力押しでは絶対に勝てない。
そんなことは分かっていたはずなのに俺は頭に血が登ってしまって冷静な判断が出来ずにいた。
目の前には憎むべきアンゲロス。
背後には仲間の成れの果て。
───またアンゲロスが奪ったんだ。俺の仲間を。
「ふふふ……何を言っているんですか………。
貴方も同じでしょうに。
貴方も私の仲間……アンゲロスの命を奪ってきた………
お互い様、という奴でしょう?」
「お前と一緒にすんじゃねぇ!!」
《ドゥンケル!バースト!》
ヴァルツクローに宿る黒いオーラ。
それと同時に右腕の人工筋肉がビルドアップし、更に力を込める。
このまま奴の武器を破壊するつもりだったんだ。
しかし………
「───っ!」
「うわっ!?」
腹部に走る鋭い痛み。
奴の拳が叩きつけれたのだ。
無論、攻撃はそれだけでは終わらない。
《JACK RISE!》
「なっ!?」
────それは見たこともない機能だった。
奴の武器の切っ先が俺のベルトに触れ、奴が自分の武器のグリップエンドを引いた瞬間だった。
急に体が重くなったように感じたのだ。
まるで力が抜けていくように……いや、これは“奴が俺の力を奪っているんだ”。
「なるほど……ジニアから提供されたデータを元に“サウザンドジャッカー”を改良して正解でした。
………まさか、ヴァルツのテクノロジーまで奪えるようになるとは」
“技術(テクノロジー)を奪う”。
奴の言う『テクノロジーを奪う』という言葉をこの状況に当てはめて意訳すれば、『ライダーの能力を奪う』ことだというのは容易に想像できる。
「まさか………ヴァルツのチカラを奪ったってのか………!?」
平成ライダーの能力を無力化するライダーの力ならジニアも使っていたが、まさかライダーの能力を奪うライダーまでいたなんて。
こうしている間にも、ヴァルツのスーツ内のエネルギー出力が下がり続けている。
事前に知れていたら対策も打てたはずだ。
だけど、現実はそんな予備知識を与えてくれるほど甘くはない。
「───次代の王のテクノロジー、頂きました」
《THOUSAND DISTRACTION……!》
武器を引き抜いた途端、頭部に走る衝撃。
それと共に一瞬、意識が飛んだ。
「勝利!」「椿っ……!」
次に気がついた時には俺の体は建物の外へと投げ出されていた。
奴はというと、自慢の武器を構え、俺の恐怖を煽るかのようにゆっくりと歩み寄る。
「くっ………!!」
立ち上がろうとするが、やはり体は重い。
そして思うように体を動かせない。
『能力を“奪った”相手を弱体化させる』………
これがアイツの武器の副次効果って奴かい……!
「フフフ………私の愛馬は凶暴です」
《JACKING BREAK………!》
トリガーを引いたと当時にグリップエンドがオートで押し込まれ、必殺の一撃が放たれる。
白いオーラと黒いオーラがそれぞれベーシックフェイズのヴァルツの姿を象る。
そして、2体のヴァルツがそれぞれ俺目掛けてキックを放った。
これが奴の武器……サウザンドジャッカーの力。
奪った相手の能力で必殺技を放つ………それが奴が変身したライダー……サウザーの力。
だが、それが解った所で今の俺には対抗策など思い付きもしなかった。
《……ZAIA ENTERPRISE》
「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!」
2体のヴァルツのオーラによる蹴撃が俺の体に叩きつけれる。
俺の体は更に吹っ飛ばされ………爆発音と共に目の前が眩い光に包まれた