完結編

変身した俺はすぐさま奴に拳を放つ。

奴が理解する余地のない怪物なのは今のではっきりとわかった。


変身するのを律儀に待ってやるつもりなんか毛頭ない。


しかし………



「…………おやおや」


俺の拳は宙を切る。

刹那、天と地が逆転。


地面に叩きつけられたということに気づくのはその一瞬後であった。



「………エクスライザーを手に入れて日の浅い君や、同じくRe:BUILDに入団して日の浅い来栖黎人はエクスライザーの真の性能を半分も引き出せていないと聞いていましたが、君の場合は30%程度………といったところですね」


「んなろっ……!」


「それでも、この時点で我々の既存のライダーシステムを遥かに上回る性能とは……。

…………だが、まだ足りない。

今からその30%まで引き出せた能力を100%………いや、1000%まで引き出してもらいましょうか」


《SET UP………!》


すぐさま立ち上がり殴りかかるが奴はその攻撃をいとも簡単に回避してみせる。


そしてジュエルを装着したジュエルドライバーを腰に装着して………



「変身」


《チェーンジ………

仮面ライダー……サウザー………!》


《Perfect Rise!》


「っ!!」


奴のジュエルが光った瞬間、ジュエルから現れる雄々しい角をもつ昆虫と大型動物。

コーカサスオオカブトと……絶滅したアルシノイテリテウムというサイに似た動物だ。



《When the Five horns cross, the golden soldier “THOUSER” is born.》

《Presented by ZAIA…………》


俺の体がそいつらに撥ね飛ばされると、その2体はナイメアの頭上で角を交差させる。

そして交差したコーカサスオオカブトとアルシノイテリウムの体が角が正面を向くように旋回すると、分離。奴の鎧となる。


現れたのは、節操もなく輝く黄金のボディにスマートなシルエット。

アルシノイテリウムとコーカサスオオカブトの角を合わせた5本の角がこれでもかと言わんがばかりに自己主張をする。



「なんだ………このライダー…………!」


勇騎さんも将さんも絶句する。

勇騎さんも将さんも未だに会ったことのない仮面ライダーだったようだ。


見た感じジニアが変身していた滅とかいうライダーと変身プロセスが似ているようだが、あの系統のライダーなのだろうか。



「“仮面ライダーサウザー”………私の新たな“愛馬”です」


奴は自身のライダーの力を愛馬と言い放つと、剣と槍をひとつにしたような武器を構える。


本当にいちいちカンにさわる奴だ。


しかし………



「負けられっかよ!」


《ヴァルツクロー!》


こちらも負けじと武器を展開すると奴に切りかかっていくのであった。
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