前編

「勝利、何しようとしてたの?」

「え?」

もしかしてこの子、ほぼ無自覚だったの!?

少しばかり落胆しつつ俺も将さんの方に向き直った。

それを見て将さんは笑いを堪えながら俺の隣に座った。
なんて失礼な野郎だ。F××K!!


「悪い悪い……ククッ、邪魔するつもりはなかったんだ」


………嘘つけ。

心の中で悪態を吐くと俺は冷蔵庫の方に向かい、ラムネの瓶を取り出し将さんに渡す。



「おっ、気がきくじゃねーか」


将さんはラムネの瓶を受け取るとラムネの栓をあけ、ラムネを飲み始める。



「くぅ~~~~!やっぱこれだな!

…………で、なんでまた特訓なんてしたいと思ったんだ?」


「それは…………」


ここのところ敵が強くなっている。
エクスキメラを始めとする新たな種族の怪人の台頭、それに新たな幹部。

それに引き換え自分はというとライダーカプセルの性能に頼りきりでイマイチ使いこなせていない気がする。

だから同じ系統の………ヴァルツのアーキタイプとも呼べるクロスの変身者である将さんと特訓すれば何か掴めるような気がして………。



「………ま、いいけどよ。

ただ、俺の特訓は厳しいぜ?」


「大丈夫。覚悟は出来てるから」


「そっか………じゃあやるか!」


そういうと将さんはラムネを一気に飲み干し、立ち上がる。



俺も立ち上がり………





「ノエル、行ってくる」


「うん………気をつけて」


ノエルの頭を撫でると将さんと共にBATTLERを後にした。
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