完結編
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姫矢市・日葉区。
中心である願葉区から西に位置する、姫矢の工場や鐵工所が密集するエリア。
姫矢市を発展させた『リヒトシュトローム』を生み出す『姫矢次世代エネルギータワー』が建設されている。
そんな日葉区に無悼財団の施設がある。
「……ようこそ皆さん。ここが私の無悼(ないとう)財団の本社です」
「お前………!」
俺たち3人は先ほどの仮面の大男たちに連れられてなんかサラ金が所有していそうな黒いビルに連れてこられた。
そして最初に通されたのはビルの外見には似つかわしくない、お寺の一室を思わせる和室。
ただっ広い部屋に畳が敷き詰められ、部屋の奥には高そうな龍と虎が描かれた屏風が飾られている。
そんな和室の中心にはお寺で見かけるようなソリ脚タイプの和室用テーブルが置かれている。
「では皆さん、どうぞお座りください」
物腰柔らかく、微笑みながら奴は俺たち3人に椅子に座るようにいうと、俺たちは椅子に座る。
………マジで目的が解らない。
俺たち3人を始末するならいくらでも出来たハズだ。
それなのに俺たちを自分のアジトに連れてきて何をしようというのか。
「「「…………」」」
俺たちの背後の大男にナニカ………恐らく拳銃だろう……を突きつけられ、俺たちはナイメアに従い、それぞれ椅子に座る。
各々ライダーシステムは所有しているが、
ここで下手に反抗してみせれば即座にBATTOLERにいる仲間たちが始末されるだろうし、そもそも俺たちも変身出来なければ所詮はただの人間だ。
それは第二次ライダー大戦の覇者と呼ばれた勇騎さんとて例外ではない。
ライダーの王になろうが、その力を継承しようが、その力を振るわなければいけないときに振るえなければタダの宝の持ち腐れ。
何度もいうが、結局俺たちは……どこまでいってもただの人間なのだ。
「ここは私の“人間だった頃の記憶”を元に、現在の私ならではのアレンジを加えて部下たちに作らせた部屋です。
この部屋が私のどの記憶にあるどの場所を元にしているかは、もはや忘れてしまいました。
………私が既に人間ではなくアンゲロスであるが故に」
奴の右目のヴァイトップが妖しく輝く。
その不気味な輝きは、目の前の男が、人間ではなく人間の形をしているだけの得体の知れない存在であることを物語っている。
「あぁ………そうかい」
俺はアンゲロス狩りをはじめてからこれまで、アンゲロスになってしまった人間を沢山見てきた。
無論望まずにアンゲロスになって駆除しなければいけないことも何度もあった。
だが………それ以上に人間性を失いただの怪物と成り果てた者も同じくらいいた。
…………いや。
アンゲロスは所詮ヴァイトップに心も体も乗っ取られた人間の死体の成れの果てでしかない。
確かにクソみたいな人間は大勢いるが、人間はまだ理性によって本性を抑えることはできる。
だか、アンゲロスは違う。
コイツらには本性を抑える理性などありはしない。
だからこそ、アンゲロスが人間から生まれる以上、どんな犠牲を払ってもどんな手荒なことをしてもコイツらだけは滅ぼさなきゃいけないんだ。
増えすぎたアンゲロスによって人が滅ぶ、その前に。
姫矢市・日葉区。
中心である願葉区から西に位置する、姫矢の工場や鐵工所が密集するエリア。
姫矢市を発展させた『リヒトシュトローム』を生み出す『姫矢次世代エネルギータワー』が建設されている。
そんな日葉区に無悼財団の施設がある。
「……ようこそ皆さん。ここが私の無悼(ないとう)財団の本社です」
「お前………!」
俺たち3人は先ほどの仮面の大男たちに連れられてなんかサラ金が所有していそうな黒いビルに連れてこられた。
そして最初に通されたのはビルの外見には似つかわしくない、お寺の一室を思わせる和室。
ただっ広い部屋に畳が敷き詰められ、部屋の奥には高そうな龍と虎が描かれた屏風が飾られている。
そんな和室の中心にはお寺で見かけるようなソリ脚タイプの和室用テーブルが置かれている。
「では皆さん、どうぞお座りください」
物腰柔らかく、微笑みながら奴は俺たち3人に椅子に座るようにいうと、俺たちは椅子に座る。
………マジで目的が解らない。
俺たち3人を始末するならいくらでも出来たハズだ。
それなのに俺たちを自分のアジトに連れてきて何をしようというのか。
「「「…………」」」
俺たちの背後の大男にナニカ………恐らく拳銃だろう……を突きつけられ、俺たちはナイメアに従い、それぞれ椅子に座る。
各々ライダーシステムは所有しているが、
ここで下手に反抗してみせれば即座にBATTOLERにいる仲間たちが始末されるだろうし、そもそも俺たちも変身出来なければ所詮はただの人間だ。
それは第二次ライダー大戦の覇者と呼ばれた勇騎さんとて例外ではない。
ライダーの王になろうが、その力を継承しようが、その力を振るわなければいけないときに振るえなければタダの宝の持ち腐れ。
何度もいうが、結局俺たちは……どこまでいってもただの人間なのだ。
「ここは私の“人間だった頃の記憶”を元に、現在の私ならではのアレンジを加えて部下たちに作らせた部屋です。
この部屋が私のどの記憶にあるどの場所を元にしているかは、もはや忘れてしまいました。
………私が既に人間ではなくアンゲロスであるが故に」
奴の右目のヴァイトップが妖しく輝く。
その不気味な輝きは、目の前の男が、人間ではなく人間の形をしているだけの得体の知れない存在であることを物語っている。
「あぁ………そうかい」
俺はアンゲロス狩りをはじめてからこれまで、アンゲロスになってしまった人間を沢山見てきた。
無論望まずにアンゲロスになって駆除しなければいけないことも何度もあった。
だが………それ以上に人間性を失いただの怪物と成り果てた者も同じくらいいた。
…………いや。
アンゲロスは所詮ヴァイトップに心も体も乗っ取られた人間の死体の成れの果てでしかない。
確かにクソみたいな人間は大勢いるが、人間はまだ理性によって本性を抑えることはできる。
だか、アンゲロスは違う。
コイツらには本性を抑える理性などありはしない。
だからこそ、アンゲロスが人間から生まれる以上、どんな犠牲を払ってもどんな手荒なことをしてもコイツらだけは滅ぼさなきゃいけないんだ。
増えすぎたアンゲロスによって人が滅ぶ、その前に。