完結編

「いくぞ!」


「「おう!!」」


乱入してきたクロスの指示のもと、俺達3人は一斉に奴目掛けて駆け出す。


俺が中心。

右隣にはリベルライザー。左隣にはクロス。


こんなにも頼りになる仲間もそうそういない。



「素晴らしい………!

まさか『中核を担うライダー』のなかでも最もハルシオンに近づける可能性に満ちた逸材の3人と戦えるとは………!」


仮面越しからでも分かるその表情。

戦いへの渇望に、そしてその快楽に醜く歪む悪魔の如きその顔が。



「「こっちだっ!!」」


リベルライザーとクロスが二手に別れると、奴の両サイドをとる。



《ストライクリベル!》


《アマゾンオメガ!バイオレントダイナミック!!》


リベルとクロス。二人の剣に宿る破壊の力。


それを両サイドから凄まじき戦士に時間差で叩き込む。



奴も流石にふたりの怒涛の攻撃には耐えきれないのか、攻撃を受け仰け反る。



「これで決めさせてもらうっ!!」


《エクスライザーブレイズ!!》


カプセルを2本リードし、奴と同じ力を右足に宿し右足が炎に包まれる。

それと同時にあたりが紅の月が浮かぶ夜へと変わる。


それがその攻撃の合図だ。


俺は助走から飛び上がると、赤い炎の矢へと変わる。



そして…………




「だーーーーーーーーーーっ!!!」




「素晴らしい………っ!」



勇騎さんと将さんの尽力もあり、蹴りは確かに当たった。


そして辺りを爆炎が包む。




だが…………





「…………いやはや、素晴らしい」


「「「なっ……………!!」」」


爆炎の中から奴の声が聞こえてくる。


淡々とした声。まるで地獄の底から聞こえてくるような声。



「……………即興でありながらも、経験と勘によって紡がれるコンビネーション。

そして既存のライダーの力を融合させることで既存のライダーの枠を破壊する次代の王の力………


確かにそのエクスライザーからは、数多の世界を飲み込んだハルシオンの力の片鱗を感じますね」


────爆炎が晴れてゆく。


そこに立っていたのは変身を解除したナイメア。



だがダメージを受けている様子はない。


あれだけ攻撃を叩き込んだというのにだ。




「やっぱりバケモンじゃねぇか………!!」
10/25ページ
スキ