完結編

「さて………これでピリオドとしましょうか。

楽しかったですよ………次代の王よ」


先ほどよりも一段と巨大な業火。

資材倉庫すらも吹き飛ばしかねない程の質量と熱を持ち、薄暗かった資材倉庫を真昼のように照らす。


もはや太陽どころか超新星のそれだ。



星がその命を終える時に放つ光。






───いや、今は俺たちの命を奪う光か。






「……呼道!椿!」


《ビルド!ボルティックスラッシュ!》


業火が放たれた刹那、俺の前に割って入る影。

剣に纏った赤と青の光が業火を切り裂き、消滅させる。



それは…………



「将さんっ!!」


赤津 将。クロスオリジン。

彼もまたライダーの力を継承する男。

そして俺が師匠と仰ぐ男のひとりだ。



「随分やられたじゃねぇか……お前ら」


「まぁな…………」


クロスオリジンに差しのべられた手を掴み立ち上がる。


少々傷は痛むが戦えない程じゃない。



「呼道、たてるか?」


「あぁ………!」


リベルライザーも立ち上がり、俺の隣に並び立つ。



ヴァルツとリベルとクロス。


レジェンドライダーの力を継承する三大ライダーが並び立つのも、なかなか珍しい光景かもしれない。




「いやはや素晴らしい。

このクウガ・アルティメットフォームの攻撃を弾くとは………」



「先輩ライダーの力を悪用しやがって………。

その力、返して貰うぜ……!」



将さん……クロスオリジンはその手に持った剣『クロスカリバー』の切っ先を凄まじき戦士に向ける。


全てを無に返す究極の闇とまで言われた奴の力を目の当たりにして尚、全く衰えないその闘志。



───やはり、この赤津将という男はただ者ではない。


常に死と隣り合わせの戦場を生き抜き、確固たる信念のもとにその剣を振るう。


出会ったライダーたちはみんな強かったけど……この人の“強さ”は頭ひとつ抜けている。



これが………仮面ライダーの……


その力と想いを継承した者の強さって奴か………!
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