完結編
「血の聖誕祭……!?
お前が死んだのは3年前のはずだ……!」
「そう、3年前まで私は主と定めた者に従えていました。
ですが私の魂が私の体を離れたとき、私の魂は時空を超えた。
そしてたどり着いたのが……2016年の聖夜………あの地獄に私の魂はたどり着いた。
そう、『ハルシオン』によって導かれたのです」
『ハルシオン』。
確かジニアが口にしていた言葉。
この世界に存在するとされるもの。
それがなんなのかは俺たちもまだ分からないが、アンゲロスやジニアの目的に関係するのはなんとなく想像できる。
まさか3年前に勇騎さんの世界で倒された男が、時間を遡って2016年の姫矢の街に来たって言うのか?
そして……よく見れば奴の右目が俺たちの姿を捉えていない。
まさか……………!
「………ヴァイトップ……………!」
「その通り。
この魔性の宝珠によって、私はこの世界で再び生を受けた。
それはどれだけ強者と刃を交えても満たされぬこの渇望…………それを満たすため、ただそれだけの為。
……………この体も、“無悼 命吾 ”なる男の体を頂き、かつての私の姿に“改造”したものです」
奴の右目は義眼。
その義眼はヴァイトップなのだろう。
そして、この男の魂を宿したヴァイトップが他の男の体を乗っ取っているのだ。
恐らく………無悼命吾という無関係の男の右目を抉り、そこにヴァイトップを埋め込んで、ヴァイトップの力で生前の顔に“整形”したんだ………。
「てめぇ!!」
《ラーーイズアーーップ!リベルライザー!》
勇騎さんは逆上と共に、赤く縁取られた黒衣のリベル……リベルライザーへと変身を遂げ、専用武器であるリベルガンブレードを構えるとナイメアに斬りかかる。
「おやおや………。その姿を見るのは久しぶりですね」
ナイメアも腰に携えた日本刀を抜くと、リベルライザーの剣を受け止めてしまう。
「はじめて出会った時も、こうでしたね………。貴方の攻撃を私が受け止める。
いやはや………懐かしい」
「何悟ったようなこといってんだ!」
因縁の相手の再会か、それとも生身の相手にライダーとしての攻撃を受け止められたからか。
リベルライザー……勇騎さんは冷静さを失っている。
そこから回し蹴りを放ち、ナイメアに更なる追撃を放つが………
「変身…………」
《チェーンジ………クウガ アルティメットフォーム………!》
リベルライザーの回し蹴りを受け止めた左腕から変身を遂げ、黒焔が奴の全身を包み、稲妻が迸る。
そして奴の手に持った日本刀も黒く禍々しく変貌していく。
「嘘……だろ…………!」
漆黒の体に、黄金のライン。
黄金の四本角に黒い複眼。
その姿は全てを闇に還す究極の闇の2つ名を持つ戦士。
“クウガ・アルティメットフォーム”。
数多くいるライダーたちの中でも最強の部類に入る存在。
「グッ!!」
「さぁ、紡ぎましょうか。
貴方たちへの鎮魂歌を………」
変身完了時の衝撃波により、リベルライザーを吹き飛ばす。
そして、その黒く輝く長刀を構え、奴はゆらり……ゆらりと俺の方に歩み寄ってくる。
その姿はまさに“怨霊”や“悪霊”の類い。
「ひっ…………!」
体が震える。逃げ出したいという衝動に駆られる。
その癖、体が動かない。
なんで?………一体何が………!?
「勝利!何してる!?早く変身しろ!!」
リベルライザーの怒号が響く。
ジニアをはじめ、あらゆる敵と戦ってきた。
その中で殺されそうになったことだってザラにある。
だが、こんな事ははじめてだ。
──俺は、この男を恐れている。
魂の………いや、“記憶”の深いところで………。
お前が死んだのは3年前のはずだ……!」
「そう、3年前まで私は主と定めた者に従えていました。
ですが私の魂が私の体を離れたとき、私の魂は時空を超えた。
そしてたどり着いたのが……2016年の聖夜………あの地獄に私の魂はたどり着いた。
そう、『ハルシオン』によって導かれたのです」
『ハルシオン』。
確かジニアが口にしていた言葉。
この世界に存在するとされるもの。
それがなんなのかは俺たちもまだ分からないが、アンゲロスやジニアの目的に関係するのはなんとなく想像できる。
まさか3年前に勇騎さんの世界で倒された男が、時間を遡って2016年の姫矢の街に来たって言うのか?
そして……よく見れば奴の右目が俺たちの姿を捉えていない。
まさか……………!
「………ヴァイトップ……………!」
「その通り。
この魔性の宝珠によって、私はこの世界で再び生を受けた。
それはどれだけ強者と刃を交えても満たされぬこの渇望…………それを満たすため、ただそれだけの為。
……………この体も、“
奴の右目は義眼。
その義眼はヴァイトップなのだろう。
そして、この男の魂を宿したヴァイトップが他の男の体を乗っ取っているのだ。
恐らく………無悼命吾という無関係の男の右目を抉り、そこにヴァイトップを埋め込んで、ヴァイトップの力で生前の顔に“整形”したんだ………。
「てめぇ!!」
《ラーーイズアーーップ!リベルライザー!》
勇騎さんは逆上と共に、赤く縁取られた黒衣のリベル……リベルライザーへと変身を遂げ、専用武器であるリベルガンブレードを構えるとナイメアに斬りかかる。
「おやおや………。その姿を見るのは久しぶりですね」
ナイメアも腰に携えた日本刀を抜くと、リベルライザーの剣を受け止めてしまう。
「はじめて出会った時も、こうでしたね………。貴方の攻撃を私が受け止める。
いやはや………懐かしい」
「何悟ったようなこといってんだ!」
因縁の相手の再会か、それとも生身の相手にライダーとしての攻撃を受け止められたからか。
リベルライザー……勇騎さんは冷静さを失っている。
そこから回し蹴りを放ち、ナイメアに更なる追撃を放つが………
「変身…………」
《チェーンジ………クウガ アルティメットフォーム………!》
リベルライザーの回し蹴りを受け止めた左腕から変身を遂げ、黒焔が奴の全身を包み、稲妻が迸る。
そして奴の手に持った日本刀も黒く禍々しく変貌していく。
「嘘……だろ…………!」
漆黒の体に、黄金のライン。
黄金の四本角に黒い複眼。
その姿は全てを闇に還す究極の闇の2つ名を持つ戦士。
“クウガ・アルティメットフォーム”。
数多くいるライダーたちの中でも最強の部類に入る存在。
「グッ!!」
「さぁ、紡ぎましょうか。
貴方たちへの鎮魂歌を………」
変身完了時の衝撃波により、リベルライザーを吹き飛ばす。
そして、その黒く輝く長刀を構え、奴はゆらり……ゆらりと俺の方に歩み寄ってくる。
その姿はまさに“怨霊”や“悪霊”の類い。
「ひっ…………!」
体が震える。逃げ出したいという衝動に駆られる。
その癖、体が動かない。
なんで?………一体何が………!?
「勝利!何してる!?早く変身しろ!!」
リベルライザーの怒号が響く。
ジニアをはじめ、あらゆる敵と戦ってきた。
その中で殺されそうになったことだってザラにある。
だが、こんな事ははじめてだ。
──俺は、この男を恐れている。
魂の………いや、“記憶”の深いところで………。