後編

──Re: BUILD SIDE──

姫矢市・願葉区。

企業都市・姫矢市の中心街。

オートウォークや楕円形のビル、ドローンによる郵便配達など、その浮世離れした……まるでSF映画に出てきそうなその都市は6年前の住人の半数を死に追いやった『あの災害』を経て尚も発展を続けている。

そんな都市のシンボルとも言える三日月型のビル……姫矢グループ本社に『俺たち』はいる。



「………ジニア様。プロトトランセンドの戦闘データと報告書です」


「ご苦労。下がってもいいぞ」


秘書からUSBメモリと資料を渡される俺、ジニア・ロックディール。

俺はその2つを受け取ると秘書である『シャルロット・フォン・シャーロップス』を下がらせる。



「…………」


そして1人になった所で報告書に目を通す。




………なるほど、プロトトランセンドは結局アイツによって倒されたか。




まだまだ改善の余地はありそうだ。

特に防御面。報告書によると最後の方は殆ど丸裸だったようだ。

やはり装甲に使う素材をヒヒイロノカネから姫矢グループ製のギガアダマンティアに変更すべきか。




あまりこういうことには気乗りしないが仕方ない。

それに………実験はまだ始まったばかりだ。
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