前編

「本当に美味しい………」


幸せそうな顔をしながらノエルはホットミルクを啜る。

なんていうか何をしても絵になるな。この子は。




………触れたい。そして彼女をこの場で押し倒したいという衝動に駆られる。




うーむ、なんとかゾン細胞にでも感染したのだろうか俺は。



「バニラエッセンスとハチミツを加えたんだ~。それがうまくいったのかも」


「そうなんだ」


自分の欲望を誤魔化すかのように種明かしをする。

するとノエルは自分のマグカップを差し出し




「一緒に、飲も?」


え、それって間接キスじゃ………。


いや、考えすぎか。



「いいの?」


「うん………本当に美味しいから貴方も飲んで?」


大きくクリっとした目で俺を見つめるノエル。

そんな風に言われたら断るに断れないよねぇ。
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