後編

「やったか!?」


着地し鎧武者がいた方を見やる。

確かに手応えはあった。

だが…………




「………!!」


爆炎を払い除け現れる鎧武者。

しかも炎が奴の刀に吸収されていき、巨大な炎の刃を形成していく。




「マジかよ!?」


驚く暇すら与えずに奴は炎の刃を振るう。

クロスは射線上にいた勇騎さんと輝を抱え回避、俺はというと…………



「う、うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

防御に特化した『紫の姿』にもう一度変わると体全体を使って炎の刃を受け止める。




「椿!何考えてやがる!死ぬぞ!?」


安全圏に着地すると叫ぶクロス。

しかし、俺は動かない。いや動けないのだ。

何故なら俺の後ろには…………



「…………女の子………?あそこの物陰に女の子がいるぞ!」


「なに!?」


俺の背後を見た輝がそれに気づく。

そう、俺の背後には恐怖から動けなくなっていた女の子が物陰に隠れていたのだ。



「将さん………はやくその女の子を………!」


「わかった!」


クロスは輝と勇騎さんを安全なところに降ろすと俺の背後までやって来て少女を抱きかかえる。

そして再び安全圏へと飛び去って行った。
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