後編

拗ねる2人を他所に俺はスパイダーアンゲロスに組み付き、その鋭い牙『ブレイクトゥーサー』で奴に噛み付く。



「ッ!!」


筋繊維むき出しの体にブレイクトゥーサーが深く突き刺さり、スパイダーアンゲロスは悲鳴をあげ、俺の体を振り払わんと暴れ出す。

しかし俺は離れない。

このまま頸動脈ごと噛みちぎってやる!!



「ーーーーーーーーー!!!」


スパイダーアンゲロスの頸動脈を文字通り噛みちぎり、血飛沫が迸る。

血飛沫を一身に浴びた俺の体は真っ赤に染まっていることだろう。



「これで終わりだぁぁぁぁ!!」


スパイダーアンゲロスから口を離すとトドメとして、両腕の鋭い棘『スパインカッター』を奴の首筋に食い込ませる。

そして、スパインカッターでスパイダーアンゲロスの首を掻き切り、逆の手で奴の首を脊髄ごと引き抜く。

首という主を失った体はその場に倒れ伏し、やがて動かなくなった。



「うげっ………!よりによってシンの必殺技の再現かよ………ッ!」


それを見ていた輝はあまりの光景に吐き気を催したのか口元を押さえている。



「勝利………」


勇騎さんの方を見てみれば勇騎さんは心配そうな顔で俺を見ていた。

だが今はそんな事に構っている場合じゃない。

どんなに残酷な方法を用いようとも、一刻も早くアンゲロスを倒さないと。




これ以上アンゲロスに殺される人を見たくない。




ただそれだけだ。
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