前編

打開策を考えている間にも落雷は迫りくる。


「くっ…………そぉぉぉぉぉぉ………!」


がむしゃらに雷を避け続ける俺。

そんな俺にクロスは語りかけてくる。



「お前はな……頭ん中で考えすぎなんだよ!

だから迷う!そしてブレる!

考えるじゃねぇ、感じるんだ!

先輩ライダーたちの心を!その想いを!」


「そんなこと言ったって………うわぁぁぁぁぁぁっ!」


雷を避けるので精一杯でクロスの動きに注意が向かなかった。

クロスが地面に手を叩きつけると地面から雷が吹き上がってきた。


そう、これこそがストロンガーの大技の1つエレクトロウォーターフォールだ。


落雷を避ける事に夢中になっていた俺はエレクトロウォーターフォールに対処出来ず攻撃を喰らってしまう。

地面に這いつくばる俺をクロスは見下ろす。



「立て………まだ終わってねぇぞ!」


「………い、言われなくたって………!」



俺はふらつきながらも立ち上がる。

どうしても将さんに勝ちたかったから。

それに知りたくなったんだ、この人をこんなにも熱くさせる先輩ライダーたちの想いを。
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