前編

「無双烈火………響鬼さんと鎧武さんの和のライダーの融合形態か。

お前に使いこなせるかな?」


「やってやるよ!」


日本刀を模した武器・無双セイバーと輪切りにしたオレンジの断面を模した刀身を持つ大橙丸を構えると駆け出していく。

超人的なスピードで縮まる距離。

クロスに肉薄すると、2対の刀を振るう。


クロスは防御も回避もしない。

しかし、クロスの複眼が紫に染まったかと思えば斬撃を受け止められてしまう。




「………ッ………かてぇ………!」


「おいおい……力を貸してくださっている鎧武さんと響鬼さんが泣いてるぜ?」


直後、電撃を纏った拳が飛んでくる。


「ぐっ………!」


無双セイバーと大橙丸でその拳を防ぐも、大きく後退させられてしまう。



「………攻撃も未熟。防御もなっちゃいない。そして何よりお前は先輩ライダーの事を何も分かっちゃいねぇ!

そんなんでそのシステムを使いこなせると思うな!」

「どこのクソコテマコト兄ちゃんだッ!!」

クロスが両腕を擦ると地面に手を叩きつけ稲妻を走らせる。

………ストロンガーの得意技・エレクトロファイヤーだ。



「………くっ!」


突っ込んでる場合じゃなかった。
咄嗟に横に飛び退いて回避する。

しかし、クロスは待ってくれない。



「考える暇なんか与えねーよ!」


今度は雨雲を呼び寄せ、雷を落とす。

『ストロンガーサンダー』ってヤツだ。



「やべっ………!これ当たったら死ぬヤツじゃねーか!」


落雷をギリギリで躱すも、なかなか攻撃に転じることが出来ない。



そして将さん半ば特訓だってこと忘れてねぇか!?

どうすれば………一体どうすれば……?
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