前編

「なるほど………カブトさんのクロックアップにゴーストさんの浮遊能力と透過能力のベストマッチか………こりゃつえぇや」


「それだけじゃないかもしれないぜ?」


バニシングファントムの能力を解説するクロスをよそに俺は両手で印を結ぶ。

すると今度は俺の姿が2人、3人と増えてゆく。



「分身した!?………待てよ、ゴーストさんとカブトさんには分身能力はないはず………」


「どうやらこいつの固有能力みたい………」


そう、このデュアルフュージョンはたまにライダー同士のカプセルを組み合わせることで全く新しい能力が発現することがある。

バニシングファントムの場合はそれが分身だったというわけだ。



「さぁ、これで決めるぜ!」


トドメと言わんがばかりにガンガンクナイを左腕のホルダーに翳してエネルギーチャージする。


《ガンガンミナー!ガンガンミナー!》


鳴り響く電子音声。

エネルギーが切っ先にチャージされ刀身が光り輝く。

そして分身と共に駆け出しガンガンクナイのトリガーを引く。



《エクスライザーデッド!》


電子音声が再生されると同時に分身共々加速し………




「うわぁぁぁぁぁ!」


クロスを切り裂いた。
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