「さぁ、行くぜ！」


暫しの硬直状態から最初に動いたのはクロスの方だった。

クロスは風を操り竜巻を起こす。

竜巻は周囲の物を飲み込みながら迫る。



「…………だったら！」


《CLOCK UP！》


俺はすかさずベルトのスイッチを叩く。

すると電子音声と共にまるで時間が止まったかのように迫り来る竜巻のスピードが遅くなった。



『クロックアップ』。

カブトを含めたカブトの世界のライダーが持つ特殊能力で、全身を駆け巡るタキオン粒子によって、時間流を自在に行動可能になる超高速移動能力だ。

これにより俺は常人を遥かに超えたスピードで移動可能となったのだ。



俺はクロスに接近すればガンガンクナイで何度も斬りつける。

そしてトドメの回し蹴りをたたき込みクロスを吹っ飛ばす。



《CLOCK OVER》


「ぐあっ！」


同時に時間切れとなり、クロスは勢いよく壁に叩きつけられた。