Chapter.4 ふたりなら

ジュエルは3つ。


それぞれ、ピンクの鳥をモチーフにしたライダーとその強化形態と思わしき赤いライダー。

それからオレンジのこれまた鳥……いや不死鳥を模したライダー。


確かオレンジのが『ファルシオン』、それ以外の鳥のライダーが『迅』だったか。



………なんで知ってるかって?


少し前にあかりんと2人で見に行った仮面ライダーの映画に赤い迅とファルシオンが出ていたからだ。





「新しい世界線で観測されたライダーたちの力を宿したライダージュエルや!

ミッチーなら使えるやろ??」


「まあね………」



なるほど。

こちらの世界で『令和ライダー』なんて呼ばれている『特撮ヒーローとしての仮面ライダー』として存在するライダーが新しい世界線のライダーというわけか。


しかし………『ハルシオン』を封印するために『ファルシオン』の名を冠するライダーの力を使えと………なんかややこしいな。

まぁ、『ファルシオン』は元々刀剣の名前なんだけども。


でも『最愛の女性を救うために戦った』仮面ライダーエデンじゃなくて、『世界を無に帰すために戦う』仮面ライダーファルシオンが渡されるとか……なんていうか、複雑な気分だ。



「ミッチー、お願いしてええか?」


「………わかった」


ジルの他にあのナイメアも絡んでるんだ。
こちらの戦力も増強しなければ。


俺は彼女からジュエルを受けとり………



「じゃあ早速……!」



「ちょいまちーーーーー!!」

「あべしっ!!」



部屋を飛び出そうとする俺の首に容赦なく叩き込まれるラリアット。

俺の体は再びベッドに沈む。




「何考えとんのや!まずは体を休めんなんやろ!!」







「あの…………ごめんなさい。



今ので………俺、死にそうなんだけど…………」




「はっ!!ゴメンてミッチー!やりすぎたわーーー!!」







………嗚呼、やっぱりこのベル薔薇と手を組んでも大丈夫なのだろうか。
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