Chapter.4 ふたりなら
「協力?………何を言ってるのさ………
君に何が………!」
俺は痛みを堪えながら無理やり体を起こし、プライムレイザーとジュエルドライバーを手に取った。
早くあかりんを探さなきゃ……。
じゃなきゃナイメアに…………。
「………事情はだいたいあのバイクの子に聞いたけど、焦ってもどーにもならんやろ?」
「黙ってろ………!」
「そういわれてもなぁ………。
どうせ、手がかりとかないやろ?」
「それは…………」
たしかにそうだ。
『あかりんを助ける』『ナイメアを倒す』。
どちらにしたってまずは手がかりを探さなきゃ行動など出来やしない。
姫矢の街を虱潰しに探してる間にあかりんの身に何かあったら………それだけは避けないと。
「だーかーらっ!そこでうちの出番や!
森ノ宮財閥の情報網をフル活用すれば、あの落武者兄ちゃんの居場所なんかちょちょいのちょい!
うちに任せてや!!……っ!ゲホッゲホッ………
ううっ、変なところに入った…………」
……………本当に大丈夫なのだろうか。
自分で胸を叩いて、自分でむせてやがる。
たしかに森ノ宮は姫矢に次いで凄く有名な財閥だけどさぁ………。
この子が森ノ宮の次期当主かぁ………不安だなぁ。
「……………ミッチー、今スッゴク失礼なこと考えたやろ?」
「ミッチーって俺のこと?
ミッチーはやめて?流石にミッチーはやめて?
それ別の人。もう別の人になっちゃうやつだからそれ」
こうは言うけども、なんだろうこの子………。
───なんかあかりんに似てる。
こうやって人を振り回すところとか、いろいろ抜けてるところとか。
ちょっと頼りない癖に背伸びしてさ、俺のこと助けてくれたのがあかりんだった。
そして、深雪はその頼りなさと背伸びしてる感じが凄くあかりんに似てる。
「…………なんでそこまでしてくれるんだよ。初対面なのに」
ここで思わず俺は率直に疑問をぶつけてみる。
すると彼女は視線を少しだけ上に向けて考える仕草をした後………。
「なんか………ほっとけんかったからやな」
と一言。
「ホントはな、“自分らの目的”でうちもあんたを探しとってん。
でもあんたも事情アリな感じやし………
それに、あんた頼りなさそうやし」
「君に言われたくない」
「ひどっ!?酷いてミッチぃ~………
………でも、あんたをほっとけないのはホントやよ?
そんなに小さいのにボロボロになるまで戦って…………ホントにほっとけんわ」
「……………っ!?」
そういうと、深雪は俺の体を抱き寄せた。
柔らかくて暖かい感触。
しばらく忘れていた優しい匂い。
本当はその感覚に委ねたかった。
でも……………
ダメだ………その優しさに身を委ねてはいけない。
それにあかりんがいる…………!
ダメだ…………俺はまだ………………。
「止めてくれ………っ!俺は子供じゃない。
それに彼女だっているんだ………っ!」
「あっ…………」
俺は彼女の体を押し退けてしまう。
彼女の少しだけ傷ついたような、悲しそうな目。
俺の視界が彼女の姿をとらえた時、俺の胸には罪悪感が去来する。
「ゴメン………」
「ううん、ええんよ………彼女さんに失礼やしなぁ………」
俺はその罪悪感を払拭できず、彼女に謝る。
どんな顔をしていたかは分からない。
きっとイタズラをして怒られるのを怖がる子供のような情けない顔をしていたのだろう。
深雪はそんな俺をみて優しくほほ笑みかけた。
「でも、やっぱミッチーはうちらが全力でサポートするさかいっ!
泥舟に乗ったつもりでおってな!」
「……泥舟だと沈む。泥舟だと沈むから」
「あっ、間違えた!。大船や大船!」
うーん、本当に頼ってもいいのだろうか。
このベル薔薇……なーんか抜けてるんだよなぁ……。
君に何が………!」
俺は痛みを堪えながら無理やり体を起こし、プライムレイザーとジュエルドライバーを手に取った。
早くあかりんを探さなきゃ……。
じゃなきゃナイメアに…………。
「………事情はだいたいあのバイクの子に聞いたけど、焦ってもどーにもならんやろ?」
「黙ってろ………!」
「そういわれてもなぁ………。
どうせ、手がかりとかないやろ?」
「それは…………」
たしかにそうだ。
『あかりんを助ける』『ナイメアを倒す』。
どちらにしたってまずは手がかりを探さなきゃ行動など出来やしない。
姫矢の街を虱潰しに探してる間にあかりんの身に何かあったら………それだけは避けないと。
「だーかーらっ!そこでうちの出番や!
森ノ宮財閥の情報網をフル活用すれば、あの落武者兄ちゃんの居場所なんかちょちょいのちょい!
うちに任せてや!!……っ!ゲホッゲホッ………
ううっ、変なところに入った…………」
……………本当に大丈夫なのだろうか。
自分で胸を叩いて、自分でむせてやがる。
たしかに森ノ宮は姫矢に次いで凄く有名な財閥だけどさぁ………。
この子が森ノ宮の次期当主かぁ………不安だなぁ。
「……………ミッチー、今スッゴク失礼なこと考えたやろ?」
「ミッチーって俺のこと?
ミッチーはやめて?流石にミッチーはやめて?
それ別の人。もう別の人になっちゃうやつだからそれ」
こうは言うけども、なんだろうこの子………。
───なんかあかりんに似てる。
こうやって人を振り回すところとか、いろいろ抜けてるところとか。
ちょっと頼りない癖に背伸びしてさ、俺のこと助けてくれたのがあかりんだった。
そして、深雪はその頼りなさと背伸びしてる感じが凄くあかりんに似てる。
「…………なんでそこまでしてくれるんだよ。初対面なのに」
ここで思わず俺は率直に疑問をぶつけてみる。
すると彼女は視線を少しだけ上に向けて考える仕草をした後………。
「なんか………ほっとけんかったからやな」
と一言。
「ホントはな、“自分らの目的”でうちもあんたを探しとってん。
でもあんたも事情アリな感じやし………
それに、あんた頼りなさそうやし」
「君に言われたくない」
「ひどっ!?酷いてミッチぃ~………
………でも、あんたをほっとけないのはホントやよ?
そんなに小さいのにボロボロになるまで戦って…………ホントにほっとけんわ」
「……………っ!?」
そういうと、深雪は俺の体を抱き寄せた。
柔らかくて暖かい感触。
しばらく忘れていた優しい匂い。
本当はその感覚に委ねたかった。
でも……………
ダメだ………その優しさに身を委ねてはいけない。
それにあかりんがいる…………!
ダメだ…………俺はまだ………………。
「止めてくれ………っ!俺は子供じゃない。
それに彼女だっているんだ………っ!」
「あっ…………」
俺は彼女の体を押し退けてしまう。
彼女の少しだけ傷ついたような、悲しそうな目。
俺の視界が彼女の姿をとらえた時、俺の胸には罪悪感が去来する。
「ゴメン………」
「ううん、ええんよ………彼女さんに失礼やしなぁ………」
俺はその罪悪感を払拭できず、彼女に謝る。
どんな顔をしていたかは分からない。
きっとイタズラをして怒られるのを怖がる子供のような情けない顔をしていたのだろう。
深雪はそんな俺をみて優しくほほ笑みかけた。
「でも、やっぱミッチーはうちらが全力でサポートするさかいっ!
泥舟に乗ったつもりでおってな!」
「……泥舟だと沈む。泥舟だと沈むから」
「あっ、間違えた!。大船や大船!」
うーん、本当に頼ってもいいのだろうか。
このベル薔薇……なーんか抜けてるんだよなぁ……。