Chapter.3:ゆりかちゃん

「あぁっ…………だ、ダメッ………///」


恥ずかしさのあまり顔を反らしてしまう。

こんな格好のせいか、態度や仕草まで女の子のようになってしまう。


………あれ?俺、なんかおかしくなった?



「…………」


ジルは目を閉じて顔を近づけてくる。

あぁ、この子本当に綺麗な顔してる。



…………このままもう、キスされえも……。



「ぷっ」


俺とジルの顔は目と鼻の先。

唇がくっつくかくっつかないかの距離。


薄目を開けて見てみるとジルが吹き出したのが見えた。


この野郎…………!わざとやってたんかい!!



「「「あははははははは!!」」」


ジルが顔を離した途端、3人揃って笑い出す。

女子どころか………ジルも入れて3人でグルだったのかよ!!



「わっ!笑うなーーーーー!!///」


顔が熱い。とにかく恥ずかしい。

もし唇が触れてたら……と思うと頭がおかしくなりそうだ。


ていうか俺、どんな顔してたんだろう?
全くわからない。全くわからないから怖いんだけど!



「かわいかったよ、道紀くん♪」


ペロッと舌を出すジル。
こんな茶目っ気を見せる子だったのか、ジルって。


でも………こいつは俺を“本気にさせた”。



「優里香ちゃーん………まだ洋服余ってる………?」


「ありますよー。ほら、かわいいワンピース」


優里香ちゃんが袋から青いワンピースを取り出すと俺は自分の顔が笑みに歪むのを感じる。

優里香ちゃんからワンピースを受けとると、ジルの方に向き直る。


なるほど……やっぱり綺麗な顔立ちだ。


…………その顔を恥じらいの涙で歪めてやりたいくらいに。





「ジル…………いいこと教えてあげるよ。

からかっていいのはからかわれる覚悟があるやつだけ…………」




「へっ?」




「まだ、わからないかな?









………お前も道連れだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」



「ちょっ………道紀くん!?


いっ、いやぁ~~~~~~~!!」





…………こうしてジルもかわいい女の子に生まれ変わりましたとさ、めでたしめでたし★


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