Chapter.3:ゆりかちゃん

────ピンポーン。


インターホンが鳴り響く。


誰か来たようだ。あかりんかな?



「はーい!」


俺ははやる気持ちを抑え、玄関へ直行する。


あかりんであってくれ!お願いだから!


そして扉のチェーンを外してドアを開ける。




「あかりんっ!!」


「………明梨ちゃんじゃなくて悪いね」


………扉の向こうにいたのはあかりんではなく、真由先輩だった。


落胆したのが顔に出てしまったのか、真由先輩はそんな俺にジトッとした視線を向ける。



「いやっ、そんなことは…………」


慌ててフォローするが、真由先輩はジト目を向けたまま。



うーん…………なんと言えば誤解は解けるだろうか?



「まぁ、いいけど………

そりゃあ明梨ちゃんとは、クリスマスの夜もお楽しみみたいだったみたいだし?」


「ファッ!?なんでそれを!?」


なんでそれ知ってるの!?


盗聴器でもあった!?それとも盗撮!?



「………テキトーに言っただけなんだけど」


なーんだ………当てずっぽうか☆



…………って!!



「あぁぁぁぁぁぁぁぁ!!///」


自滅してしまった!

この歳ならそういうことやっててもおかしくないけども!!


なんかハズい!!

自分でカミングアウトしてるみたいでなんかハズい!!!



「ぷっ…………ホントピュアだよねぇ~。

………性欲はいっちょまえなのに」


そんな俺の様子を見た真由先輩は吹き出してしまう。


そして余計な一言までつけてニヤリ。




「止めて笑わないでぇぇぇぇぇぇ!!」


あー、ダメだ!こんなのあかりんには話せない!


なんとかしなければっ!!
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