Chapter.2:あかりん

爆炎に包まれるカウンターカッシス。


そして、爆炎が晴れると満身創痍となったあの女が現れた。



「やるじゃない………惚れ直したわ、ボウヤ」


「あぁ……?」


「まさかテスト段階とはいえ、この“エクスキメラ”を……“怪人を超えた存在”をハザードレベル“だけ”で上回るなんて…………。

流石は“破壊を司どる者”、と言ったところかしらね」


「………お前たちの目的はなんだ?」


「貴方が知る必要はないわ………!」



そこまでいうと女は複数のカプセルを起動していき………




《ケツァルコアトルスドーパント!》


《モズアマゾン!》《バラアマゾン!》

《ベローサマギア!》《ドードーマギア!》

《デスイマジン!》



起動したカプセルを宙に投げ、あのグリップ型の機械で読み込ませていく。



そしてリードされたカプセルから新たな敵が現れる。




そのうち一体は巨大な鳥のような姿をしたものだった。





「この戦いを生き残れたら……また会いましょう、ボウヤ♪」


「待て!!」



女は巨大な鳥の背中に飛び乗ると巨大な鳥と共に戦線を離脱する。


呼び出された怪人たちと、俺を残して。




「……しかたねぇな………!」



ジュエルドライバーによって口調が変わっているとはいえ、俺は俺だ。


意識はハッキリしているし、制御出来ていない訳じゃない。




俺はジュエルを再び外して、新しいジュエルに付け替える。





───これが俺のもうひとつの切り札だ。





《SET UP!》



「変身………」



《チェーンジッ!エボル!ブラックホール!》


《ブラックホール!ブラックホール!ブラックホール!レボリューション!

フハハハハハハハ………!》



俺の体を包む黒い力の奔流。



それは黄金の鎧を包み込み、モノクロの鎧にその姿を変貌させる。




白を基調とし、降着円盤を模した上半身の鎧。

金と赤に彩られた四肢。

腰のタシット。

そしてコブラを模した白い複眼と不気味な笑みを浮かべているような仮面。




それは『星を喰らう悪魔』。忌むべき存在。




───俺はこの姿は好きではないが……

『破壊をもたらすもの』に成り下がった今の俺には相応しいものなのかもしれない。





「さて、諸君。残念なお知らせだ…………。





───今日がお前たちの命日だ」





『エボル・ブラックホールフォーム』。


もはや『仮面ライダー』の名前すら相応しくない“怪物”。




それが俺にもたらされた究極の力。




そして、『星喰いと呼ばれた悪魔』としての姿だ。
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