Chapter.2:あかりん

「速っ!?……っ!!」



カウンターカッシスを鉤爪で切り裂き、その巨大な腕で奴を殴り飛ばす。


そして、吹っ飛ばされた奴の体は廃工場に突っ込んだ。




「どうしたコラァ!その程度かぁ!?」


俺も廃工場に入ると背中と肩のスラスターから黒い液体を噴出して飛び上がり更に距離を詰め、熊の鉤爪で奴を何度も切り裂いていく。




「ぐっ………!ただのライダーなのにこの力………。

ボウヤのハザードレベルは一体どうなってるの!?」



“ハザードレベル”。



俺が使っているジュエルに内包された『グリス』をはじめとするライダーたちが存在する“ある世界”で発見された人間を生体兵器へと変貌させる『ネビュラガス』、耐性を数値化したものだ。

その数値が高ければ高いほどガスへの抵抗力も高く、ネビュラガスの力を引き出すことで戦闘力を底上げすることができる。



……………つまりこのハザードレベルの数値=戦闘力と考えればいい。




「…………なにこれ…………?

11.2………11.3…………11.4!?

こんな数値あり得ない!

………ッ!……まだまだ上昇していく…………!」



そして俺のハザードレベルは、もはや奴なんかに測定など出来やしない……!





「俺のハザードレベルは……テメェなんかに測れやしねぇよ………!」



《ツインブレイカー!》


《アタックモード!》



巨大な熊の腕が弾けて消えれば、左腕に装着されるのはパイルバンカーを小型化したようなマルチウェポン『ツインブレイカー』。

『ビームモード』という二連装ビームガンとしても使用できるが、俺はこれを『アタックモード』という近接近型武器として使用することが多い。




俺は『レイジングビーマー』と呼ばれる砲身を後ろへ回す。


すると癖の強いガイダンスボイスと共にパイルバンカーの杭が飛び出した。




「激戦!」


《シングル!》



「激昂!」


《ツイン!》



「激震!」


《ツインブレイク!!》




───武器に宿る破壊の力。




それは杭を黄金に彩り、これから放たれる一撃を極限まで強化する。





「この俺に………

ひれ伏せぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」



地面を蹴り、足元から聞こえる爆発音と共に一瞬にして距離を詰める。



これがライダーの力。


スタートダッシュだけでも地面にクレーターを作るほどのレベルだ。




そんな助走からの一撃は………あらゆる敵を粉砕する。



そして………測定不能の力量ハザードレベルを持つ俺なら、例え“怪人を超えた存在”であろうとも粉砕することだって不可能じゃない。





「オラァァァァァァァァァァ!!」



design



「最高だわ…………ボウヤァァァァァッ!!」




放たれた破壊の一撃。




それは奴の体を貫き、奴を一撃のもとに沈めたのであった。
18/21ページ
スキ