Chapter.2:あかりん

足から力が抜ける。
膝から崩れ落ちてしまいそうになる。
壁についた手にこもった力だけで、全身を支える。



目の前にいるユカ姉は、とても小さくみえた。






逃げられないように足を千切られたのだろう。


その後に全身を切り刻まれ、その後四肢を喰われたのだろうか。





瞼の裏には明るく元気なユカ姉の姿が焼き付いてるのに。





そんなユカ姉がアンゲロスに切り刻まれて?殺されて?喰われて?


どれだけ叫んでも誰にも助けて貰えないままで?




なんで……………?なんで?なんで!?なんでだよ!!!





感情が渦巻き、視界が赤く染まる。真っ赤に染まった。



血の涙でも流したのだろうか。
もしくは幻覚かもしれない。





ただ、突きつけられた理不尽な現実に怒りを覚えた。






だってそうだろう?


おかしいだろう?




ユカ姉は何も悪いことしてないのに。


俺をずっと見守ってくれていたのに。


辛い時ずっと側にいてくれたのに。



なんで、なんで殺されなきゃいけないんだ!?






なんで…………なんで!!!






「………ァァァあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」






何もない部屋に俺の慟哭だけが響いた。
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