Chapter.2:あかりん

俺の足は自然と俺たちが暮らしていた『はみだし荘』へと向かっていた。




ここならユカ姉がいる。


絶対に………絶対に無事だ!



そう信じて俺とユカ姉が暮らしていた部屋のドアを開ける。






「………ッ!!!」



飛び込んできた光景、それは壁も床も真っ赤に染まった廊下だった。





頭が真っ白になった。


足元もおぼつかないまま、リビングへと向かう。






────こんなの嘘だ。なにかの間違いだ。




このリビングの扉を開けば普段と変わらないユカ姉がいる。


そう信じるしかなかった。



そしてリビングへと続くドアを開ける。





するとそこにいたのは………




赤い血の池に沈む、人としてのシルエットが最低限しか残っていない体。



顔も潰されて誰かも判別できないのに……………



なんでだろうな……
………俺にはそれが誰だか分かった。

分かってしまった。



信じられない。
いや…………信じたくない。




でも、“ソレ”の傍らには俺に向けて送ろうとしていたメッセージが表示されたスマホが落ちていた。








「あ………あぁぁ………







あぁぁぁ…………!









あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!
ユカ姉ェェェェェェェェェ!!」
3/21ページ
スキ