Chapter.2:あかりん

「………え……?」



目の前の浮世離れした少年と制止した世界に驚きを隠せないでいる。


ついに体に限界が来て、そんな幻覚を見ているのではないかとすら思ってしまう。



しかし、体じゅうに走る激痛がそれが現実だと物語ってくれる。





「なんで、俺の名前を………?」


「君が有名人だからさ。姫矢市の仮面ライダーさん」


「!?」



咄嗟に身構える。


このジルとかいう少年、もしかしてさっきの奴の仲間か?



そう思ったからだ。




しかし………




「そんなに構えないで………。別に君と争う気はないよ」


「じゃあ、一体………」


「君を助けに来た」


「俺を………助けに………?」



次の瞬間、眩暈がしたと思うと身体中の力が抜けていきその場に崩れ落ちてしまう。


体力の限界という奴だろう。




そしてそのまま俺の視界は白いペンキをぶちまけられたかのように真っ白になった。
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