Chapter.1:みっちゃん

「ぐっ………!」


数回バウンドした後、地面に叩きつけられる。




「ぐっ………ガハッ!」


慌てて起き上がるも激しい痛みに襲われ、その場にうずくまり吐血してしまう。


バイザーに付着した血のせいで視界が赤黒く染まる。




どうやら内臓がやられたらしい。




バイザー内ではダメージコントロールが実施され被害状況がリアルタイムで更新される。



スーツのダメージは50%オーバーといったところか。





………こっちはもう死にそうだっていうのに。





その瞬間、首筋にチクっとした注射器を刺された時に似た痛みを感じる。


バイザーを見てみれば何かの薬品の名前が。


恐らく鎮痛剤や止血剤の類だろう。


このプライムのスーツ………いや姫矢グループで開発されたスーツには戦闘の補助として様々な薬品が搭載されており、それを状況に応じて装着者に投与する機能が搭載されているのだ。




「………おや、もう終わりですか?」



鉄球を再び装着したバイオレンスリザードが歩み寄ってくる。


まるで自らが命を刈り取る死神であると言いたげに。





「こうなったら……!」



状況はこちらが圧倒的に不利。


いつ殺されてもおかしくない状況だ。


この状況を打破できるのはこいつしかいない。




俺はホルダーからひとつのアームロイドコアを取り出した。
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