Chapter.1:みっちゃん

複眼に付着した返り血を拭い辺りを見回す。


俺の周囲には無数のアンゲロス、そして奥にはそれを操っているであろう、喪服のような黒いスーツに身を包んだ男が1人いた。




「貴方がコード・プライムですね?」



男は笑みを浮かべながらこちらに歩み寄ってくる。


その張り付いた笑みを見た途端、全身を蛇が這いずり回るような不快感に襲われる。





そして俺の本能が警告してくる。




こいつは………危険だ!





「だったら………なんだよ……?」



相手から目を逸らさずに……いや、目を逸らす事が出来なかった。


少しでも目を逸らせばその瞬間やられると分かっていたからだ。



俺はビームクローを構えると相手の出方を伺う。





「貴方の力………試させて貰います………。行きなさい!」



男の指示と共にアンゲロスたちが一斉に飛びかかってくる。


人体模型のような出で立ちで背中から8本の腕が生えているそいつは、忘れもしない。




初めて戦ったアンゲロス……スパイダーアンゲロスだ。





「……ッ!」



スパイダーアンゲロスたちの攻撃を全て回避すると、ビームクローで切り裂いてゆく。


呆気なく爆散していくスパイダーアンゲロスたち。



しかし数が多く、次から次へと現われる。




「こうなったら………!」



スパイダーアンゲロスの群れを一気に殲滅するべく、腰のホルダーからアームロイドコアを取り出す。


と言ってもカマラーダのものとは別のものだ。


取り出したアームロイドコアの絵柄をルービックキューブの要領で合わせる。



すると雄々しいカブトムシの絵柄が現われる。




《Armroid Call!》


《YOROI-KABUTO in to be Action!》


アームロイドコアから電子音声が再生され、空間を引き裂きやってきたのは、赤い堅牢な装甲を持つカブトムシ型のアンドロイド、『ヨロイカブト』だった。
18/29ページ
スキ