俺は今､家から２km先にある仕事場に向かってバイクを全速力で走らせている。


バイクで走っている最中にも“この街”を象徴するソーラーパネルが目に入ってくる。


この街の名は『姫矢市』。


本州の中部地方に位置する雪葉町とかいうド田舎の地方都市だったがある時､世界的に有名な大企業
『姫矢グループ』が進出､隣町の願葉市と合併し今の街となった。


そうして街は発展していったが､今では事実上の経済的支配を受けている。


表向きには『ひかりのまち』なんて呼ばれているみたいだが､実際には問題が山積みだ。






とりあえず姫矢市の一市民として言わせてほしい……。









｢……朝っぱらから眩しいんだよチクショウめ｣


……ソーラーパネルに反射した光に毎日毎日文句を言っても仕方がない。


でもやっぱり俺にはこの街を好きになるなんて事、出来ないと思う。