二章 THE RESOLUTION

「……うぉぉいっ」


ガンバライジングのゲームさながらに気の抜けた声と共に地面に叩きつけられるデューク。


こいつ、まだやられてなかったのかよ。



「おのれおのれおのれおのれおのれぇぇぇぇ!!

許さん!許さんぞォォォォ!!」


ついにぶちギレた金メッキ。

遂に劇中でも見せなかった必殺技……ガンバライジング限定のあの必殺技でも見せるのかと思っていた。


それならどれだけ良かっただろう。

………奴は目を疑うような行動に出るのだった。



「見せてやる!これが黄金の果実であるこの私の奥の手だ!“イリューダーグロウ”!!」


「あぁ………?

………なっ!?」


マルスの黄金の仮面の口元が裂け、鋭い牙が露出する。

それと同時に、シグルドとデュークの体がマルスの口内へと吸い込まれていく。


……目を疑う光景だ。

そもそもマルスに、コウガネにそんな能力はない。



「私の研究が………唯一絶対の真理なんだぁぁぁぁぁぁ!!」


「俺は人間を超えるんだぁぁぁぁぁぁ!!」


「「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」」


断末魔を残し、マルスへと吸い込まれていくデュークとシグルド。

デュークとシグルドはマルスに“捕食”され、跡形もなく消滅した。



………それだけでは終わらない。



「見るがいい………これこそが黄金の果実たる私の!新たなる力だぁぁぁぁぁぁ!!」


マルスの体が通常の何倍にも大きくなっていく。

そして右肩にはデュークの、左肩にはシグルドの仮面が現れる。

両肩にはデュークとシグルドが使っていたソニックアローをさらに巨大化させたような弓……いや鎌のようなものとなった。


それはもはや特撮ヒーローである“仮面ライダー”とは呼び難い……まさに“怪物”としての姿であった。



「なんだよ………それ」


「ウゾダ………」


「履歴書………」


「ふははははははは!怖かろう!?」


俺の呼び出したブレイドと鎧武のせいで緊張感に欠けるかと思いきやそんなこたぁなかった。


やはり間近で訳のわからない巨大な怪物を見せられれば誰だって怖じ気づくさ。



俺の武器を握る手は確かに汗が滲み、震えていた。
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